旧暦1月12日にあたる9日、ベトナム北部ソンラ省ソンマー県で、独立の英雄として崇拝される「チュン姉妹」を祀る伝統行事が開催されました。
祭りは、ソンマー川から神社までの神聖な水を運ぶ儀式で始まり、豊作と平穏、人々の健康が祈願されました。会場では武術の演舞や獅子舞、伝統太鼓の演奏が披露され、参拝者たちは英雄姉妹とその将兵たちの霊前に焼香を捧げました。
ソンマー県人民委員会のグエン・ドゥク・ティエン副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「この祭りには、文化・観光の両面で大きな可能性があります。神社周辺を整備し、より多くの方々に参加していただけるよう環境を整えていきます。また、様々な文化体験プログラムも用意し、国内外からの観光客誘致にも力を入れていきたいと考えています」
チュン姉妹は紀元1世紀、中国漢王朝の支配に対して民衆を率いて立ち上がり、ベトナム史上初の大規模な独立運動を成功に導きました。姉のチュン・チャックは女帝として即位しましたが、漢王朝の大軍との激戦の末、妹のチュン・ニとともに現在のハノイ近郊で戦死しました。
2000年近い時を経た今も、チュン姉妹の勇気と愛国心はベトナム人の誇りとして語り継がれ、その祭祀は国内各地で大切に守られています。
(VOVWORLD)