芸術

粘土でベトナム料理のモデルを作製

90年代生まれの女性、グエン・ハー・アン（Nguyen Ha An)さんはベトナムらしさがあり、ギフトとしても使える手作り製品を作りたいという願いから、粘土で3Dのベトナム料理のモデルを作製し、ハノイにそれらの製品を紹介する店を開きました。グエン・ハー・アンさんの製品はAFP通信に掲載され、読者に紹介されました。
ハー・アンさんはハノイ建築大学を卒業後、住宅のデザイン関連の仕事をするものと誰もが思っていました。しかし、この幸運を呼び込む女性は学生の時、子供に手作りの工芸品の製作を教え始め、自分の授業で使う材料を探している間に、卒業後は手作り製品にかかわることに決めました。
2014年に「Veene」ブランドを立ち上げ、ハー・アンさんとそのスタッフは、顧客のリクエストに応じた多くの製品を作りました。しかし、あるケーキ会社のプロジェクトが終了した後、2019年にベトナムの国民的アイデンティティを持つ食品モデルを粘土で作製することを思いつきました。


建築学部を卒業後、世界中でベトナム料理が人気になる1年前、「極小」の粘土の食品モデルを作り始めた28歳のハー・アンさん。


原材料に使用するのは90％の粘土と10％の液体プラスチック（主にスープのような部分にし）。


Veeneのオフィスで粘土、液体プラスチック、木材などの素材を使って
見事な極小モデルを作る12人の若者。


すべての製品は手作りであるため、各製品を完成させるために多くの時間、労力、そして忍耐が必要なスタッフたち。


モデルを本物の食品らしくするために細部まで「本物」に近づけることが
ハー・アンさんと彼女の同僚にとって一番の難しさ。


ハー・アンさんと彼女の友達の完成したパン料理モデル。

ハー・アンさんがアイデアを形にし、手でスケッチを描き、コンピュータでのデザインに移すまでに2か月かかりました。完全な3D設計図が出来上がった時、彼女は粘土を材料にして食品コレクションを作ることを考えつきました。彼女は色々なテストしてみようと海外から原料を仕入れました。ドラフトを作製した後、彼女とVeeneのスタッフは、フォー、魚の煮込み、チェー、パンなどのベトナム料理のコレクションをよりリアルに改良していきました。
ハー・アンさんによれば、90％の粘土と10％の液体プラスチックの材料でコインサイズの食品モデルを作るにあたって、一番難しいのは真にリアルに仕上げることです。特に、人々がこれを本物の食べ物と思って見てくれるためには、他のVeeneのモデルを作製する場合と比較して、何倍もの創造性と細心の注意が要求されます。

多くの場合、食品モデルの製作にあたって、ハー・アンさんは、まずお椀、箸、鉢、トレイなどの道具や容器を作り、その後、食品を作製します。各食品モデルにはそれ独自の難しさがあります。フォーを作るのに最も難しいのは刻みネギですが、ホー・クェットの食品モデルでは本当に小さな胡椒を撒くのを要求され、木のスプーンを手で磨いて付け加え、魚の鍋のモデルでは切ったレモングラスです。チェー・コムはお椀に模様をつけるには全て手描きが必要なため、各サンプルの中で最も難しく時間がかかります。通常、ハー・アンさんのスーパーミニ食品モデルは完成するまでに5〜7日かかります。


北部のすべての店と同じように、刻み葱、鮮やかな色の牛肉、レモン、唐辛子、キンカン、チリソース、
にんにくのピクルスでできたフォーのモデル。


レモングラス、唐辛子、ガランガル、ニンニク、バナナの葉などもついている白ご飯と魚の煮込みのモデル。


ハー・アンさんと彼のチームによって親指くらいに小型化された有名なベトナムのパンのモデル。

本物そっくりな西南部のお焦げご飯のおかずの煮物モデル。

茶碗、ココナッツミルクの椀、蓮の花、竹の敷物に置かれた蓮のがく片、
蓮の葉でできたチェー・コムの食品モデル（大きな葉の大きさは大人の指２本以下）。








今後はフォー、ブン、コム・タム、魚の煮物、チェー・コムなどの食品モデルだけでなく、
ベトナムの文化的特徴を持つ製品を作りたいと考えているハー・アンさん。
これまで、フォー、ホー・クエット、チェー・コム、パン、ハ・アンさんの煮込み魚の5種類の食品モデルがレストランで展示され、多くの顧客が愛する人への贈り物として一つ160万ドン以上の価格で買って行きました。

ハー・アンさんは次のように語っています。「すべてのベトナム料理には独自の美しさがあります。私はより多くの人々がベトナムの食文化の美しさについてもっと知って欲しいと願いながらこれらのモデルを作っています。」

文：ガン・ハー（Ngan Ha）
写真：コン・ダット（Cong Dat）


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