文化

北中部地域の嵐と洪水を予報する「神の目」

南北自然ルートには、ズン・クエット山脈のチュン・ドゥ区(ゲアン省ビン市)のベン・トゥイ橋の始点に、天然資源・環境業界の人々が「神の目」に例えるレーダーステーションがあり、嵐の季節が近づいている日でも嵐や洪水の警報信号を送信しています。


ヴィン・レーダーステーションは北中部気象観測所に属しています。天然資源と環境セクターの境界である 北中部地域にはタイン・ホア省、ゲ・アン省、ハ・ティン省が含まれます。この地域はかなり複雑な地形で、西に高い山があり、平野が狭く、海岸線が長く、水文気象総局は中部を「内臓」とするとこの地域を嵐と洪水のへそと認識しています。北中部水文気象局のグエン・ヴァン・ルオン所長は過去5年間で、異常気象の頻度が極端に多くなり、予測不可能になったと述べました。予報技術は大規模かつ強力に発展し、北中部水文気象観測所は予報のために、ラジオ局の気象、水文及び海文のシステムに重要とされるヴィン・レーダー観測所を含む多くのプロジェクトに投資しました。


ヴィン・レーダーステーションはズン・クエット山にある高さ37メートルのタワーで、円形の球体はレーダーアンテナを保護する外輪です。ステーションにはレーダードームルーム、機器ルーム、レーダーコンポーネント、データ監視および解析ルームを含む三つのファンクションルームがある。撮影:ナム・グエン





レーダーアンテナを定期的に保守するホー・ズイ・ソン観測員。

撮影:イエン・ニン






信号が途切れることなくレーダーが継続的に動作することを保証するための予備発電機が常にあるレーダー機器およびコンポーネントルームで働くホー・ズイ観測員。

撮影:イエン・ニン




スキャンされたレーダー画面で気象現象を監視する北中部水文気象局のレー・ドゥック・クオン副所長(白いシャツ)と観測員。

撮影:イエン・ニン





データ解析および観測部門でレーダースキャンエリアを監視するカオ・ティ・ホアン・ラム観測員とホー・ズイ・ソン観測員。

撮影:イエン・ニン




ベトナム気象水文総局の四つの最も近代的な天気予報レーダーステーションの一つであるヴィン・レーダーステーション。

撮影:ナム・グエン


2017年には、気候変動による自然災害対処能力強化プロジェクト(日本政府の無償ODAプロジェクト)の一環として、レーダーステーションが現在の場所であるヴィン市のチュン・ドー区のズン・クエト山に建設され、新しい設備が設置されました。このレーダーは半径450 キロメートルまでの気象ターゲットを検出し、200キロメートルまでの風速を検出できます。したがって、ズン・クエット山を北中部地域の円の中心とすると、このレーダーの「魔法の目」はタイン・ホア省、ゲ・アン省、ハー・ティン省のすべての不安定な気象現象をカバーできます。

 

チン・ドゥック・チュオン氏は従来の監視システムとは異なり、レーダー監視の利点は高速監視であると述べました。数分で、幅数百キロメートル、厚さ数十キロメートルの地域の雲やそれに関連する気象現象の情報を得ることができます。したがって、気象レーダーの運用は大規模な地域の気象監視、暴風雨、熱帯低気圧、大雨などの中規模循環の活動の監視に重要な役割を果たします。さらに、必要な場合には、気象レーダーは特定の地域、狭い地域での非常に短い予測作業に役立ちます。特に、嵐や熱帯低気圧の予測では、レーダーは嵐の中心、レーダーのアクティブエリア内にあるときの嵐の動きの方向と速度を決定するために重要なツールです。

 

そして今、ヴィン・レーダーステーションの「目」は信号を受信し、東海に流れ込む新しい嵐の「パルスをキャッチ」する準備をしています。ヴィン・レーダーステーションが監視するデータは気象水文総局に送信され、警報を出して、人々への被害を最小限に抑えます。

文:イエン・ニン

撮影:ナム・グエン、イエン・ニン

翻訳者:ソン・タム クエン



 


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