この遺産は7月12日に正式に登録され、ベトナムにおける9件目の世界遺産となります。
17日夜、北部クアンニン省で、ファム・ミン・チン首相は、イエントゥー・ビンギエム・コンソン・キエップバック遺跡複合体の顕著な普遍的価値がユネスコ世界遺産委員会に認められ、世界文化遺産として登録されたことを発表する式典に出席しました。
この遺産は7月12日に正式に登録され、ベトナムにおける9件目の世界遺産となります。遺跡複合体としては初めて、複数の省にまたがるものとしては2件目で、クアンニン、ハイフォン、バクニンの3地方にわたる12の代表的な遺跡から構成されています。
式典でチン首相は、ユネスコや国際機関、加盟国の支援に謝意を表した上で、3地方にまたがる遺産の効果的な管理を確保するため、国と地方レベル双方で法的枠組みを整備する必要があると強調しました。
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「世界遺産の保全・活用は、この地域にある他の有形・無形文化遺産との結びつきを深め、ユネスコが掲げる持続可能な開発目標の達成に資する体系的な取り組みでなければなりません。遺産を単に守るだけでなく、観光資源として生かし、歴史的で静謐な価値に加え、現代社会に息づく活力ある側面をも創出していくことが重要です。そして広く言えば、観光や生活の中で、民族の優れた文化的伝統を呼び起こし、未来へと受け継いでいくことが求められます」
また、ユネスコのベトナム事務所代表ジョナサン・ウォレス・ベイカー氏は、イエントゥーの価値について「精神性と民族的アイデンティティの双方を体現している点にある」と述べました。ここはベトナムの仏教の一派であるチュックラム禅宗の発祥の地であり、仏教と文化的・精神的価値の融合を通して国家のアイデンティティが形成されてきたことを示しています。
(VOVWORLD)