食・料理

ラン・ソンの串焼き肉

食の宝庫であるベトナムでは、地域ごとに異なる野菜やスパイスを使って料理と組み合わせることで、その土地の特徴的な味が生まれます。串に刺して焼いた肉料理においても、ハノイではカラメルソースに漬け込んで独特の色と風味を出します。南部では、串に刺した肉をピーマン、玉ねぎと一緒に焼き、ゴマをふりかけますが、ハノイでは北部の山々に生育し、「最高のスパイス」とされている種類の葉、マック・マットの葉で豚肉の串焼きの味を引き立たせます。


使う豚肉は赤身と脂身が混ざった豚バラ肉。

スライスしてマリネした後、肉を串に刺す。

マック・マットの葉(フック・ハニーの葉、山柿の葉などとしても知られている)は、香りのよいエッセンシャルオイルと独特の甘味を持っているため、民族の人々によってマリネする時に使用されてきました。マック・マットの葉を使った肉のグリルも非常に魅力的な香りと風味があり、口にした人の味覚を興奮させます。グリル料理の場合は、焼き肉の乾燥を防ぐため、豚の下腹部にある、肋に付いていない豚バラ肉を使うのがお勧めです。この部分の肉は通常、脂肪と赤身の薄い層が交互に並んでいます。きれいにした後、肉を一口大に切り、スパイス、玉ねぎ、ニンニク、砕いたマック・マットの葉でマリネします。スパイスに漬け込んだ肉をマック・マットの葉と共に串に刺し、グリルしますが、均一に火が通るように串の間に隙間を開けておきます。焼いていると肉の脂が出て肉に混ざります。肉は炭火できつね色になるまで焼き上げると、マック・マットの葉の独特の香りが漂います。


炭火で焼く肉。

串に刺した肉にキュウリ、ニンジン、生野菜が添えられる。

串焼き肉のできあがり。

豚肉をマック・マットの葉でマリネし、炭火で直接焼くとスモーキーな風味が肉に絡みつき、少し焦げた肉の外側はカリカリで、一味違う料理になります。中は肉の脂が流れ出すためパサつきがなく柔らかく、また違った味わいを楽しめます。北部の山々への旅行に加えて、山や森の中の揺らめく火の隣で豚の串焼きを楽しむことほどエキサイティングなことはありません。

 

文、撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル

訳者:ソン・タム・クエン



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