ベトナム全土と歩調を合わせ、ホーチミン市は欧州委員会(EC)によるベトナム産水産物への違法・無報告・無規制(IUU)漁業に関するイエローカード警告解除に向け、最終段階に入っています。
ホーチミン市には現在およそ4900隻の漁船があり、そのうち約6割が沖合で操業しています。2025年初め以降、外国当局に拿捕された漁船は確認されていません。これまで、市はIUU漁業の防止に向けた対策を強化し、漁船管理や水産物のトレーサビリティを厳格に実施しています。
ロンハイ村のフオックティン漁港では、関係当局が漁船の出入りを厳格に監視し、水揚げ量の管理に加え、航海日誌の確認も行っています。こうした徹底した取り組みにより、漁民の法令遵守意識が大きく高まりました。漁民の話です。
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「出港前には、必ず国境警備隊や漁業監視当局の指示に従い、必要な手続きや書類を整えています。外国の海域では操業せず、ベトナムの領海内でのみ漁を行い、国の規定を遵守しています」
「航海ごとに日誌を記録し、帰港時には漁港の国境警備隊に提出しています。これにより、港での販売もスムーズに進みます。航行監視装置は24時間稼働させています」
ホーチミン市農業環境局の代表は、市として故意に違法操業を行う事例には厳正に対処し、「特別扱い」や「法の抜け道」を一切認めない姿勢を明確にしました。現在の漁船管理は透明かつ一元的に運用され、デジタル化も進んでいます。すべての漁船は船舶監視システム(VMS)の設置と電子トレーサビリティ(eCDT)の実施が義務付けられています。登録、検査、許可のいずれも行っていない、いわゆる「三なし漁船」は徹底的に取り締まり、操業を禁止しています。現在、ホーチミン市東部では約99%の漁船が監視装置を設置しており、全長24メートル以上の漁船では設置率が100%に達しています。
市は監視や取り締まりに加え、広報活動にも力を入れ、漁民の国際規範遵守意識を高める取り組みを積極的に進めています。
(VOVWORLD)