ニュース

ベトナムと中国、首相会談で協力関係を強化

ベトナムのファム・ミン・チン首相は13日午前、公式訪問中の中国の李強国務院総理と会談を行いました。今回の訪問は、李強首相の就任後初のベトナム公式訪問であり、中国首相としては11年ぶりのベトナム訪問となります。

会談では、両国の政治的信頼関係の強化や、外交・国防・安全保障分野での協力促進、重点分野での実質的な協力推進、国際的な場における連携強化などで合意しました。また、10月15日から両国の国境地帯にあるバンゾック滝景観区の正式運用開始を宣言しました。

ファム・ミン・チン首相は、在重慶ベトナム総領事館の開設手続きの迅速化や、ベトナム産農産物の中国市場への更なる開放、ベトナム貿易促進事務所の中国各地での設立などを提案しました。さらに、再生可能エネルギーや電気自動車生産、デジタル経済、循環型経済など、幅広い分野での協力継続を呼びかけました。

一方、李強首相は、中国がベトナムとの協力関係をさらに深める意向を示しました。具体的には、ベトナム産品の中国市場への参入拡大、検疫や通関手続きの円滑化、そして両国間の政策課題解決に向けた協力を進める用意があると表明しました。さらに李強首相は、両国の戦略的連携を強化する提案を行いました。特に、交通インフラ整備における協力に重点を置くとともに、経済・貿易・投資分野での協力を推進する考えを示しました。その中でも、製造業や農業、サプライチェーンの維持に関する協力を重視する姿勢を見せました。加えて、職業訓練プログラムの実施や、金融・通貨分野での協力拡大についても提案がありました。

海洋問題については、両国の指導者が達成した「ベトナム・中国海洋問題解決の指導原則に関する合意」を尊重しつつ、意見の相違を適切に管理し、長期的な解決策を模索することで一致しました。また、海洋問題に関する交渉の仕組みを効果的に活用していくとともに、争点の少ない分野での協力や海上での捜索救助活動における連携を積極的に進めていくことでも合意しました。

会談後、両首相は交通、税関、教育、農産物貿易など様々な分野における協力文書の交換式に立ち会いました。

李強総理は会談に先立ち、ホーチミン廟を訪れ、花輪を捧げました。

(VOVWORLD)


top