ベトナム農業環境省は5日、ハノイで記者会見を開き、ことし1月から10月までの農林水産物の輸出額が580億ドル余り、日本円でおよそ9兆円に達し、前の年の同じ時期と比べて13%増加したと発表しました。
この期間、ベトナムでは台風や豪雨が相次ぎ、北部や中部の広い地域で農作物の栽培や畜産、それに水産養殖に大きな影響が出ていて、こうした中での2桁成長は異例の好調さと言えます。
輸出先は、アジアが全体の45%近くを占めて最も多く、次いでアメリカなど米州が23%、ヨーロッパが14%となっています。
主な輸出先は中国、アメリカ、日本で、多くの品目で輸出価格が上昇しています。
フン・ドゥック・ティエン農業環境次官は、今年の水産物の輸出額について次のように語りました。
(テープ)
「今年の水産物輸出は、2022年の110億ドルには届かないかもしれませんが、それに近い額になる見通しです。アメリカ向けの18億ドルあまりの輸出は、ナマズやエビ、マグロなどが中心です。アメリカとは引き続き交渉を続けています。また、ヨーロッパからの違法漁業の警告、いわゆるイエローカードの解除に向けても取り組んでおり、ヨーロッパ市場への輸出拡大を目指しています」
農業環境省は、科学技術とイノベーションの推進を戦略の柱に据え、農業分野のグリーン成長と生産性の向上を目指しています。
(VOVWORLD)