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パンデミック後、千年の歴史を刻むモザイク村チュオン・ゴの真髄

モザイクチュオン・ゴ(ハノイ市フー・スエン県チュイェン・ミ-集落) の職人は故事を題材にしたモザイク画だけでなく、顧客のアイデアを取り入れ、より洗練された技術を用いた風景画を作成しています。モザイクチュオン・ゴ は千年の浮き沈みを経てきましたが、この変化により国内市場だけでなく、多くの国において存在感を常に示してきました。



貝殻に絵を描く工程。


チュオン・ゴ村の神系図によると、この地のモザイク工芸品はリー王朝 (1010年ー1225年) にさかのぼります。村の工芸の開祖は地元の太学生(博士号相当)、元宮廷軍司令官のチュオン・コン・タインです。仕事を習い、上達してから、チュオン・ゴ村に初めて貝殻モザイク作品を作り上げ、村人に伝えました。そして、木の表面に文字や絵をモザイクする職業が生まれました。時が経つにつれて、モザイクの原材料が追加され、多くの種類の二枚貝だけでなく、多種類の貴重な巻き貝の殻があり、製品はより多様なデザインがなされ、品質が向上しました。

モザイク伝統工芸村チュオン・ゴにあるズイ・ハイ・ファット木彫店で働く職人。


多くの研究者はベトナムのモザイク芸術が世界で最も優れていると考えています。フランスの研究者アンリ・オジェ (1885年~1963年) は「彫刻家は真の芸術家であり、非常に忍耐強く熟練しています。彼らは貝殻の色を調和させ、モザイクを美しく輝かせる方法を知っています。そのため、ベトナムのモザイク芸術は極東で独占的と言っていいほど並外れて優れています。ベトナムのモザイク職人の製品は広東のモザイク製品よりもはるかに優れています」と述べました。


モザイク伝統工芸村チュオン・ゴの製品。

現在では、最高の原材料を手に入れるために、国内各地から大型の二枚貝や巻き貝を集めたり、香港やシンガポールから輸入したりすることがよくあります。さらに、モザイク村には山の風景、鳳凰の翼、孔雀の羽、また諸侯のアオガムの絵の模様によく使用される豪華な赤色の巻き貝など、特に希少な材料もあります。


描かれた形に従って切った小片を模様が描かれた木の板の上に組み合わせて完成させた絵。


モザイク製品は通常、絵を描く、絵に従って真珠を切る、木材を彫刻する、貝殻を木材に取り付ける、モザイクを研磨し線をはっきりと表示する、黒い粉を使用して絵の細部を鮮明にする、以上の六つの基本的な工程を経ます。特に真珠貝を彫る作業には、非常に高いレベルでの継続的な操作が要求されます。

二枚貝と巻き貝を使ったチュオン・ゴ伝統村のモザイク製品。


職人は手で研磨し、酒に浸し、火で加熱してから貝殻の小片を割れないようにカッターで切り、次に絵の表面に十分な貝殻片を選びます。時には様々な色の小さなピースが何百、何千ということもあります。チュオン・ゴ貝殻モザイク絵画の特徴は木板上の貝殻が非常に平らで、非常に緊密で、欠けておらず、装飾の細部が非常に鮮やかであることです。


 

モザイク製品を購入する観光客


工芸村の主な伝統的製品は額、教会や寺院の対句、マホガニーの装飾模様、茶箪笥、また三国志の物語に基づいた壁に掛ける絵、「松、竹、菊、杏」のセットなどです。


チュオン・ゴ工芸村のモザイク製品。


グローバル化に伴い、チュオン・ゴ貝殻モザイク職人は考え方を変え、風景や肖像画などよりも洗練された技術的な絵画を作成し、現代の顧客の様々な好みに対応しています。したがって、工芸村の製品はますます多様化し、デザインが豊富になり、国内の需要を満たし、英国、ロシア、米国、オランダ、日本などの国際市場に進出しています。



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