発見

トラン氏の古い家

ビンズオン省のトゥ・ダウ・モット町の中心にはトラン氏の2つの古い家がある。この二つの家は100年以上もになるが、文化や建築の面でまだそのままの価値を持っている。今ビンズオン省を訪問する観光客にとって非常に魅力のある観光スポットとなっている。
それはトゥ・ダウ・モット町のフーク・オン区でのトラン・コン・ヴァン氏とトラン•ヴァン•ホー氏の古い家である。この二つの旧家は既に国家レベルの文化・歴史的遺産として認められた。

この2軒の旧家は非常に微細に建てられ刻まれて、古代人の上品な技術と芸術レベルを反映している。

トラン•ヴァン•ホー氏の古い家の庭は盆栽や築山で伝統的なスタイルで装飾されている。

トラン•ヴァン•ホー氏の古い家でのスペース。


 トラン・コン・ヴァン氏の古い家での仏象。

トラン・コン・ヴァン氏の古い家の礼拝室


トラン・コン・ヴァン氏の古い家の礼拝室

トラン・コン・ヴァン氏の古い家の廊下。

トラン・コン・ヴァン氏の古い家はフエの真束の建築様式で建てられた。


トラン氏の古い家の各部分は非常に細かくに刻まれている。

礼拝室の後ろを通るトラン・コン・ヴァン氏の古い家の内部廊下。


トラン・コン・ヴァン氏の古い家はフエの真束の建築様式で1889年に建てられた。外から見ると、この家はちょっと低いように見えるが、中に入ると、柱、はりの構造と高い天井は家のスペースが大きく、風通しが良いようになっている。柱の根元から屋根、家具、キャビネット、仏壇、ドアフレーム、平らな漆塗りの板(中国語の文字が刻まれた)、ポット、パラレル文、4枚絵画、本まですべてに精密で巧みな浮き彫り・塗装され、マザー•オブ•パールの象嵌がされて、家の豪華な美しさと威厳性を作り出した。この家は礼拝室の後ろを回る内部廊下がある。この廊下は礼拝室を経由せずに居間と寝室を繋ぐため、この家の主人の礼拝室の厳粛性が守られている。

トラン•ヴァン•ホー氏の古い家(現在、ビンズオン省の遺物・名所管理委員会の直接管理)は1890年に建てられ、「ディン」文字の形のアーキテクチャを持っている。前庭には庭園、盆栽、築山で装飾されている。屋根はやや低い陰陽の瓦で葺かれ、傾斜して、ベトナム人の伝統的なスタイルを現す。しかし、この家の目立ったユニークな特徴としは恐らくドアフレームの表面での精巧な浮き彫りの技術だと思われる。上品な技巧によって、古代の芸術家は、巻き物、ユニコーン、フェニックス、花と葉、蔓草など、さまざまなテーマでドア枠の周りにたくさんの非常に鮮やかな彫刻を施した。それに加えて、古代様式の水平の漆塗りの板、パラレル文、ソファ、キャビネット類インテリアの装飾スタイルは家の由来の高貴で古風の美しさをさらに強調する。

この二つの家を建てたメイン材料としは主にバリアンキングウッド(学名Dalbergia cearensis)、落葉中高木(学名dalbergia odorifera)、Madhuca pasquieri, Sindora cochinchinensis H.Baillなどという貴重な木材である。これらの木は長い間寝かせていたので、黒の色が出て、平面の漆塗りの板、パラレル文の赤黄の色と真珠のはりばめの細かなのシルバーと結合して、家の内部をより目立たせ、古代の主人の風流、人柄を反映する。また、位置的面については、トラン氏の2つの古い家は共にサイゴン川の近くにあるので、建設用の木材を森からの運び出しに非常に便利である。しかし、トラン氏の古い家の美しさを作り出すポイントとしてはその家の所有者がベトナム人の古代建築様式での伝統的な特徴に準拠されたことである。それは熱帯地域の地形、風景、自然との調和をとれたアーキテクチャスタイルである。この二つの家は共に南向きに建てられ、その周りに川や山の風景、魅力的な自然に囲まれている。

美的価値観とアーキテクチャ的価値観以外、トランの古い家は19世紀のトゥ・ダウ・モット土地の文化的・経済的•社会的な要素を深く反映することが言えるだろう。だから、それらの家はこの土地のユニークな遺産形式の一つであろう。
トゥ・ドク時代(1847年~1883年)のダイ・ナム•ニャット・トン・チ書よると、ビン・ズオンは昔ビン•ズオン(タン・ビン区)とフォク・ロンという2地区の間のフィエン・アン町に属するという。ここの人口が密で、家の屋根が全てタイルで、町と市場が隣接し、ザー・ディン地区の豊かなところで、全国のどこでも比較できないという。


文:グエン•ヴ•タン・ダット
撮影:フゥー・タン

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