発見

ドレイヌル滝とドレイサップ滝-タイグエンの叙事詩

何百万年にもわたる地質上の創造とエデ民族の人々の壮大な愛により、ベトナムのダックラック省とダック・ノン省の2つの省に隣接する土地、伝説的な中部高原の赤い土地に最も手付かずの壮大でロマンチックな2つの滝が生まれました。これらはドレイヌル(Dray Nur)滝(別名:妻の滝)とドレイサップ(Dray Sap)滝(別名:夫の滝)です。

ドレイヌル滝はダック・ラック省クロン・アナ地区ドレイサップ村のクオップ集落にあります。そこからそれほど遠くないところなので、訪問者は歩いて赤い塗装の斜張橋を渡り、短い林道を通ってダクノン県クロンノー地区のナムハ村にあるドレイサップ滝に到着します。

ドレイヌルとドレイサップは、タイグエンの雄大な中部高原のセレポック川にある最も美しい2つの滝です。中央高地のエデ族の伝説によると、セレポック川は昔、何千年もの間、うねうねと流れる小川にすぎなかったそうです。当時、川の向こうに住む少女に恋をしたクオップ村の青年がいましたが、お互いの家族は恨みあっていたため、二人の愛は実りませんでした。悲しい愛を嘆いた二人は永遠に一緒になることを願って、セレポック川に自分自身を植えました。村人の利己心に腹を立てたジャン(神)はセレポック川を襲撃し、2つの村の間を行き来する2つの小川に分けました。ドレイヌル滝(別名:妻の滝)を産み出すロンアナ川(別名:メス川)と、ドレイサップ滝(別名:夫の滝)産み出すロンノ川(別名:オス川)です。それ以来、妻の滝と夫の滝は常にお互いの近くにあり、一緒にくっいて水の流れが離れることはありません。


フー・イエン省の有名なダディア崖の岩に非常によく似た角柱状の形をしているドレイヌル滝の何百万年前にできた溶岩。
撮影:タイン・ホア



ドレイヌル滝を見下ろす美しい洞窟のアーチ。
撮影:タイン・ホア



白いしぶきをあげ勢いよく流れ落ちる滝。
撮影:タイン・ホア




山の岩を包み込み、奇妙な形を作り出している森の木々の巨大な根。
撮影:タイン・ホア

雄大なドレイヌル滝の下に美しい深い谷を作り出した何百万年にもわたる地質上の創造。
撮影:タイン・ホア

 

梅雨の時期には高さ約30メートルの断崖から、幅250メートル以上になったドレイヌル滝が白い泡で溢れ、森の真ん中に手付かずの息を呑むような景色を作り出します。滝の熾烈な風景とは異なり、滝の下には、岩の上を流れる広大な浅瀬があります。乾季にはドレイヌル滝は水が少ないので、滝の下の小川も穏やかで、川床にある苔で覆われた滑らかな岩の上を裸足で歩く感覚を楽しむことができます。
 
ドレイヌル、ドレイサップの伝説は『ロミオとジュリエット』に似て、エデ民族の壮大な叙事詩の特徴に満ちている。
また滝の底には均等に並んだ六角形の岩層が美しく配置された森羅万象の手に見えることも訪れた人々の注目を集めています。研究者によると、ドレイヌルの岩層は、フー・イエン省の有名なダディア崖の岩層と非常によく似た構造をしています。これは何百万年も前の火山活動の驚くべき現象で、溶岩ブロックから形成された非常に奇妙な自然の贈り物です。

ドレイヌルの壮大さとは異なり、ドレイサップは詩的で平和な美しさをもたらしています。高さ約20メートルの山腹から2つの滝が霧になって舞い落ち、「煙の滝」とも呼ばれています。ドレイサップの美しさは広大な森の緑の自然と調和しているところです。森の端から外を見ると、ドレイサップ滝の下の水は大きなターコイズブルーの湖のように見えます。湖の岸に沿って、水の端に突き出た層を持つ黒い岩の道があります。中央高原によく見られるフタバガキの森の木陰に覆われた人工のベッドのような大きくて平らな岩があり、訪れた人々は美しい景色をずっと眺め続ける場所となっています。

 

詩的で雄大なシーンを作り出す2つの滝。
撮影:タイン・ホア



タイグエンに来た観光客にとって魅力的なポイントであるドレイヌルの風景。
撮影:タイン・ホア



ドレイサップ滝の手付かずで雄大な美しさを眺める外国人観光客。
撮影:タイン・ホア



ドレイサップ滝から流れる冷たい水に浸る観光客。
撮影:タイン・ホア

 
 
文、撮影:タイン・ホア

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