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チャン・タイン・ヒエン准教授・博士、古代美術を一般に公開した人

チャン・タイン・ヒエン准教授・博士(ベトナム芸術大学講師)は宗教美術の歴史の研究に成功した最初の女性の一人として知られています。彼女の研究論文は本として出版され、宗教に関連する伝統的な古代美術が一般の人々にとって身近なものになるのに役立っています。


チャン・タイン・ヒエン准教授が出版した伝統芸術と民芸に関する四冊の研究書はすべて、ベトナム出版協会から賞を受賞しました。また、最近出版された彼女の本「ベトナムの寺院における仏像製作芸術」もベトナム美術協会から賞を受賞しました。

 

ヒエン准教授によると、今日のベトナムでは研究書がたくさん書かれているのは事実ですが、いつも関係の研究者だけを対象としたもので、一般の読者には本が好きかどうかは言うまでもなく、読むことも理解することも難しいことがよくあります。

 

彼女は「寺院に行くベトナム人の多くはこの仏像が誰で、いつ、どのような意味と価値があるのか​​知りませんが、私の本を読んだ後、彼らは皆、寺院に行って誰のために祈るのか分かるようになります。私が行ったことが人々にとって最も実用的な価値となった一つです」と述べました。それはまた、チャン・タイン・ヒエン准教授の古代の文化的、宗教的、建築的価値の研究とアプローチの方向性でもあります。



宗教芸術の歴史の研究に成功した最初の女性の一人として知られているチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:カイン・ロン/ベトナムフォトジャーナル




元来学術的な宗教に関連する伝統美術を一般の人々にとって身近なものにするのに役立っているチャン・タイン・ヒエン准教授が発表した研究成果。

写真:カイン・ロン/ベトナムフォトジャーナル




チャン・タイン・ヒエン准教授が出版し、すべてベトナム出版協会から賞を受賞した伝統美術と民芸に関する4冊の研究書。

写真:カイン・ロン/ベトナムフォトジャーナル





ハノイのドンダーにあるキム・リエン小学校で印刷指導を行うチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料


したがって、この本の中でヒエン准教授は、陳、黎幕、阮など、各時代の美術と考古学についてあまり知識がない人でも最も分かり易い方法で美術を説明しています。それ以来、彼女は世界仏教に相関するベトナム仏教のイメージとシンボルを取り出し、ベトナム仏教の彫像の価値がどこにあるかを調べてきました。

チャン・タイン・ヒエン准教授によるとブット・タップ寺は典型的な古代のお寺と考えられている。ブット・タップ寺には觀世音菩薩天頭天眼の美しい木像があり、「王室」の寺院と見なされ、チン・ティ・ゴック・チュック皇太后が修行し、レー・ティ・ゴック・ズエン王女が資金と功徳で寺を修復するようチン皇太后の許可を求めた。 


1998年、教育と並行して、チャン・タイン・ヒエン准教授は古代美術の研究に情熱を注ぎ始めました。彼女は古代美術に足を踏み入れた理由について「それは私のすぐ隣の世界であり、私の生活や社会の中に常にあるものと感じていますが、それを理解している人はほとんどいません。だからこそ、私は発見する必要性を感じ、発見したいと思っています。」と述べました。

 

1998年から2002年にかけて、チャン・タイン・ヒエン准教授はハノイからバック・ニン省、ハ・タイ省、フン・イェン省まで、北部のほぼすべての共同住宅や寺院を訪れました。彼女によると、「案内してくれる」人がいなくて自分でやらざるを得なかったので、最初は何もわからず、ただ写真を撮り続けました。その後、チャン・タイン・ヒエン准教授はチャン・ラム・ビエン氏、チュー・ゴック・チュー氏などの美術研究家の本を通して徐々に学びました。

 

2000年に、チャン・タイン・ヒエン准教授は觀世音菩薩のイメージに関する修士論文を作成しました。これは、仏教美術の研究における重要な最初のステップでした。

 

最初の本は2005年にチャン・タイン・ヒエン准教授から「ベトナムの觀世音菩薩の」というタイトルで出版されました。この本は、当時、觀世音の彫像を作る芸術の発展を要約し、評価したことで高く評価され、出版協会の受賞歴のある本です。

 

チャン・タイン・ヒエン准教授によると、歴史、遺産、考古学の研究者と違う所は古代美術の視覚的価値の研究という点です。ベトナムの古代美術は非常に広大で、共同住宅、寺、神社、民間伝承に関連していますが、芸術の価値を「読み取る」ために美術と社会生活の関係だけを示し、新しい歴史的文脈における芸術的なイメージは難しいことです。そのため、2020年に「ベトナムの寺で仏像を作る芸術」というタイトルの本が出版されました。この本は古代ベトナムの仏教芸術の研究において高い価値があると考えられています。



チャン・タイン・ヒエン准教授によると、ベトナムは仏教の長い伝統を持つ国で、仏教の研究にはイデオロギーや歴史など多くの分野があるが、芸術や美術の研究においてはかなり大きな空白がある。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料




民芸展でキム・ホアン絵画の印刷方法を子供たちに教えるチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料





子供たちが民間伝承絵画に親しみを抱くように指導するチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料





子供たちが民間伝承絵画に親しみを抱くように指導するチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料





民芸展を通じて、子供たちにベトナムの人々の古代美術をもっと理解してもらいたいと考えているチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料




外国人観光客にベトナムの民芸品を描くように案内するチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料

外国人観光客にベトナムの民芸品を描くように案内するチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授の資料






ベトナム女性知識人協会の会員と民芸品について語り合うチャン・タイン・ヒエン准教授。

写真:チャン・タイン・ヒエン准教授




チャン・タイン・ヒエン准教授によると、ベトナムは長い仏教の伝統を持つ国です。仏教の研究にはイデオロギーや歴史など多くの分野がありますが、芸術や美術の研究はかなり大きな空白となっています。この空白の領域は文化遺産や遺産保護のホットな問題に関連しているため、非常に重要です。そのため、寺彫像を建てたりする時に「違反」されないようプロトタイプを使用することについて、しばしば論争があります。

 

それだけでなく、チャン・タイン・ヒエン准教授は情熱的な画家としても知られており、その伝統的な素材を使用した作品は新鮮で新しい活力を備えた現代的な息吹を吹き込んでいます。彼女が選んだ紙はヌン・アン族の手漉き紙です。これは、タイ・ヌン族が経典を書き写したり、古代からの崇拝の絵を描いたりするためによく使用する、あまり品質の良くない民俗紙の一種ですが、手作りの紙には東洋の風俗を表現する独自の美しさがあります。

 

墨汁はニつ目の画材です。チャン・タイン・ヒエン准教授は白黒以外にカラフルなものは何も描いていません。仏陀のシルエット、花、活力のシンボルのモチーフを様々なレイアウトで繰り返し使用しました。それぞれの絵は不安な感情で、幸せか悲しいかは知らず、疑いと不確実性に満ちたこの精神的な世界のどこに行くべきかを知りません。

 

チャン・タイン・ヒエン准教授はハノイ芸術大学で美術史を専攻していますが、創作への愛情は美術史を学ぶ多くの人々に非常に人気がありまけす。しかし、どんな仕事をしていても「研究とは『酔う』必要があり、『酔わ』なければできない、特に女性は常に障壁に満ちている」というのがヒエン准教授の見解です。

文:タオ・ヴィ

写真:カイン・ロン

翻訳者:ソン・タム・クエン

 






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