現在もにぎわいを見せるランソン省キー・ルア地区の中心部には、数百年の歴史を静かに刻み続ける古い神社があります。これはターフー神社です。
ターフー神社(写真:Chí Phương/VOV5)
ターフー神社は、ランソンの人々の信仰の場であるだけでなく、17世紀末の市場開拓や国境交易の歴史を今に伝える貴重な史跡でもあります。ランソン省キー・ルア地区の中心部に位置するターフー神社は、古くから地元住民や観光客に親しまれてきた名所です。この神社は1683年に建立され、、国境防衛とキー・ルア市場の発展に大きく貢献した後黎朝時代の武将であったタン・コン・タイ氏を祀っています。
歴史資料によりますと、タン・コン・タイ氏はランソン赴任中、国境防衛に尽力しただけでなく、交易の拡大にも力を注ぎました。商人たちを集めて商業地区を形成し、キー・ルアを当時の東北地方有数の商業拠点へと発展させました。
多くの参拝者がターフー神社を訪れる(写真:Chí Phương/VOV5)
幾世紀もの時が流れた今も、ターフー神社は変わることなくその姿を残しています。歴史の変遷を見守りながら、多くの人々が参拝に訪れ、偉大な名将タン・コン・タイ氏をしのんでいます。ターフー神社運営委員のダン・ミン・トゥアンさんは次のように述べました。
(テープ)
「ターフー神社は伝説上の人物ではなく、実在した人物を祀っています。タン・コン・タイ氏はランソン省に大きな功績を残しました。国境の平和を守るとともに、地元住民や中国側の商人たちにも働きかけ、当時は山林が広がっていたこの地域を開拓し、17世紀にキー・ルア市場の礎を築いたのです。」
(現場の音)
ターフー神社といえば、多くの人がまず思い浮かべるのが「キークン・ターフー祭り」です。この祭りはランソン省最大の伝統行事で、毎年旧暦1月22日から27日まで開催されます。祭りでは、キークン神社とターフー神社を結ぶ神輿行列が行われ、トゥアン・チャン大官の神輿をターフー神社まで運び、タン・コン・タイ氏への感謝を捧げます。なかでも祭りの最大の見どころが「爆竹の頭の奪い合い」と呼ばれる伝統行事です。その背景には、神聖で人々の願いが込められた物語が語り継がれています。
ダン・ミン・トゥアンさん (写真:Chí Phương/VOV5)
さきほどのダン・ミン・トゥアンさんの話です。
(テープ)
「爆竹の頭を手に入れることには特別な意味があります。獲得できた人は大きな幸運に恵まれると信じられています。言い伝えによれば、その人の家庭は円満になり、仕事や商売も順調に発展するとされています。」
初めてターフー神社を訪れたハノイからの観光客、ゴー・クオック・ヴィンさんは次のように述べました。
(テープ)
「再建された神社はとても美しく、規模も壮大です。東洋建築の特徴がよく表れていて、とても気品があります。石や木材がふんだんに使われています」
(現場の音)
1993年、ターフー神社とキークン神社は国家レベルの歴史文化遺跡に指定されました。さらに2015年には、キークン・ターフー祭りが国家無形文化遺産として認定されています。これは文化遺産としての価値が認められたことに加え、この地の多民族コミュニティの暮らしに深く根付いた文化空間が今も受け継がれていることを示しています。
地元当局は地元のスピリチュアル文化観光をさらに発展させ、ランソン省を訪れる観光客を増やすため、取り組んでいます。キー・ルア地区人民委員会のホー・ティ・トー・ウエン副委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「キー・ルア地区では、バックガー寺やターフー神社などがスピリチュアル文化観光の拠点として認定されています。すでに広く知られた名所ですが、今後のさらなる発展に向けて行政としても一定の投資を行っています。伝統文化を守りながら、その価値を高め、文化空間を広げていく方針です。」
現代社会の流れの中にあっても、ターフー神社はキー・ルア市場の歴史を見守る証人として静かに佇んでいます。この古い神社は、人々の文化的な記憶と現在の暮らしを結ぶ存在であり、ランソンを訪れる人々に、この国境の地が持つ奥深い歴史と精神文化の魅力を伝え続けています。
[VOVWORLD]