今回の停戦の実現には、トランプ大統領が関税交渉の期限とされる8月1日を前に、対話による解決を促したことも影響を与えたとみられています。
タイとカンボジアの間で続いていた国境地帯での軍事衝突を受けて、両国が合意した停戦が29日に発効しました。両国の首脳は、軍司令官同士による非公式協議や、国境問題を話し合う2国間協議の開催でも一致しており、今後、衝突が収束し、外交的な解決に進むかどうかが注目されています。
軍事衝突は、今月24日の朝に発生し、その後、国境地帯の各地に戦闘が広がりました。こうした中、タイのプムタム首相代行とカンボジアのフン・マネット首相は28日、マレーシアの首都クアラルンプール近郊で行われたアンワル首相の仲介による停戦協議に出席し、無条件かつ即時の停戦に合意しました。
今回の停戦の実現には、トランプ大統領が関税交渉の期限とされる8月1日を前に、対話による解決を促したことも影響を与えたとみられています。
ただ、今回の衝突の発端となった国境地帯にある歴史的な寺院遺跡「タムアントム」や、世界遺産に登録されている「プレアビヒア寺院」などを巡る領有権争いは長年続いており、根深い対立が残されています。
今後、停戦が実効性を持って継続されるかどうか、そして両国が外交的な解決に向けてどこまで歩み寄れるかが問われています。(産経新聞)
(VOVWORLD)