文化

クメールの正月「チョール・チュナム・トメイ」

クメール人の正月の過ごし方は長年にわたり、祖先の功績と家族の再会への感謝の気持ちと関連しています。クメール人の村の寺院はいつもこの文化的な行事の主要な会場となります。

チョール・チュナム・トメイ(南部のクメール人の伝統的な新年)が始まる数日前にクメール人の村に来れば、ここの人々が祭りの準備している雰囲気を味わうことができます。家族は新年を迎えるために家の掃除を始め、祖先の祭壇と仏の祭壇を準備します。また、クメール人の各家族は寺院に行き、亡くなった愛する人の遺灰を祀る塔を掃除して塗り直すと同時に、僧侶が寺院の敷地内のいくつかの物品を拭いたり、修理したりするのを手伝います。


大晦日に前年から新年へ移行を示すマハ・サンクラン暦を迎える儀式。



伝統的正月のチョール・チュナム・トメイの儀式。



僧侶への施しの儀式。

チョール・チュナム・トメイの伝統的正月に祝福を唱える儀式。


チョール・チュナム・トメイ祭りは通常、毎年4月14日、15日、16日に行われます(うるう年には4月13日が追加される)。祭りの期間中、クメールの人々は家族全員が幸せになり、豊作となるよう祈願するとともに、祖父母と両親に敬意を表すために寺院にやって来ます。

クメール族の人々にとって最も楽しい活動や宗教儀式は寺院で行われます。この寺院はクメール族の人の仏教の精神生活において非常に神聖な位置を占めており、地域社会との絆を深める場所であり、ほとんどすべてのクメール人にとって生まれてから成長し、死ぬまで愛着を抱いている場所です。

クメール人社会の仏教信仰文化が染み込んだ多くの代表的な儀式はチョール・チュナム・トメイに行われます。新年を迎えるにあたり寺にクメール暦を迎える儀式、新年の平安を祈願する儀式、僧侶や仏教徒に施しをする儀式、説教の儀式、幸福を祝う儀式、仏像に水をかける儀式などはクメール人の仏教への信仰心を示し、僧侶が新年に人々を祝福することを目的としています。

また、クメール族の人々は新年の初日にお寺を参拝し、幸運と福を祈願するために寺院の敷地内に象徴的な「砂の墓」や「米の墓」を建てる習慣もあります。


チョール・チュナム・トメイの伝統的正月にバインテト(伝統的な食べ物)を料理する人々。


良い年になるよう祈願するために伝統的正月に仏像に水をかける儀式を行うクメールの人々。


新年の悪いことを取り除き、新年の良いことを祈るために作られる砂山。


伝統的正月チョール・チュナム・トメイに特別な祈願をする儀式。


伝統的な正月の休暇中に寺に集まるクメール民族の人々。

ソク・チャン省にはゾイ寺、チェン・キエウ寺、カレン寺、ソム・ロン寺、ボン・マット寺などの有名なクメール寺院がたくさんあり、クメールの人々だけでなく、観光客が遠近を問わず参拝に訪れ、仏陀を拝むために各寺を訪れます。また、チョール・チュナム・トメイの時には、各寺院の敷地内で伝統的なゲームをしたり、食べ物や小物販売の店などが出て楽しく遊びます。夕方には様々な民族芸術のパフォーマンス、例えば特別な衣装やユニークな面のロ・バム、ズ・ケなどクメールの伝統舞踊や歌が頻繁に演じられ、非常にユニークな演技は観客を魅了します。

文:ソン・ギア

写真:レー・ミン、チャイン・ダー


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