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クエン・ティエン・ダックとベトナムのジャズ発展の旅

米国のバークリー音楽大学で訓練を受け、数多くの音楽の旅を経て、有名なサックス奏者クエン・ティエン・ダックは、民族や民間の素材に基づいたジャズ音楽を発展させ、形成するという自らの使命を決意しました。
 

音楽の旅

 クエン・ティエン・ダックは有名なサックス奏者クエン・ヴァン・ミンの息子です。芸術の道を歩み、今日のような成果を上げたアーティストのクエン・ティエン・ダックは常に父親に感謝しています。 

アーティストのクエン・ティエン・ダックは11歳の少年の頃から、この芸術に必要とされる十分な気道内圧を持つためにトランペットと管楽器を練習しなければなりませんでした。練習するためだけに1年を費やさなければならなかった時もありました。そして、トランペット以外、他のものは何も吹くことはできませんでした。 

1995年、クエン・ティエン・ダックはベトナム国立交響楽団で演奏する最年少の音楽家になりました。これは芸術家クエン・ティエン・ダックの音楽の旅における重要な痕跡であり、大きな後押しとなるものでした。 

竹で作られた楽器を使ってダン・ドーの
アーティストグループと演奏する芸術家クエン・ティエン・ダック。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
 


その後、演奏会に参加する機会が多くなるにつれ、クエン・ティエン・ダックは徐々に「私たちは音楽の世界に属している」と感じるようにななりました。しかし、強い個性を持つクエン・ティエン・ダックは常に音楽の中で自分自身の声を生み出すことに関心を持っていました。この時点でクエン・ティエン・ダックにとっての課題は、黄金時代の音楽を生み出した父親、つまりベトナム国内外で伝統音楽やジャズを教えた教師であるアーティストのクエン・ヴァン・ミンの影でした。

クエン・ティエン・ダックの音楽での冒険の一時。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル


すべての音楽の旅は綿密かつ真剣な投資でもあります。しかし、クエン・ティエン・ダックが、自分が演奏しているのは自分のジャズであり、それがベトナムのジャズであると誇らしげに断言したのは、彼がそれらの作品を統合して新しいジャンルを生み出した時だけでした。 

アーティストのクエン・ティエン・ダックは「音楽は私に幸せをもたらします。音楽を演奏しているときはとても幸せで、それらのポジティブなエネルギーを観客と共有したいと思っています」と語りました。

「Father & Son」の準備するバンド。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル


ベトナムのジャズ 

アーティストのクエン・ティエン・ダックの告白によると、音楽制作者にはそれぞれ独自の使命があり、彼の使命はベトナムでジャズ音楽を発展させ、ベトナムのジャズ音楽ジャンルを形成することです。 

また、芸術家クエン・ティエン・ダックによると、現在ベトナムのジャズ音楽は世界と比較して比較的発展しているそうです。多くの若いジャズプレーヤーは上手に演奏できますが、それでもアメリカ人やヨーロッパほど上手にジャズを演奏することはできません。したがって、彼によれば、「私を含め、ベトナムのジャズアーティストが独自の異なる方向性を見つけることが唯一の方法である」と述べています。 

クエン・ティエン・ダックと彼の父親である
アーティストのクエン・ヴァン・ミンによるデュエット・パーフォーマンス。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル

国際ジャズソングでプログラムの幕を開けるアーティストのクエン・ティエン・ダック、
クエン・ヴァン・ミンとクエン・ティエン・ロック。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル


民族音楽は常に重要な役割を果たしており、その要素を生かしてジャズを含む独自の言語に組み込むことができます。したがって、ジャズという即興言語を通して表現される先住民族の音楽は、自分のスタイルを形成するための大きな希望となるでしょう。アーティストのクエン・ティエン・ダックによると、これを実現するには多くの人が理解し、協力する必要があるといいます。そうして初めて、次の1〜2世代が結果をもたらすことを期待できるのです。 

アーティストのクエン・ティエン・ダックによるジャズ「Father & Son」に聴き入る観客。
撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
 
アメリカやヨーロッパのようなジャズ発祥の地で長年「師として勉強」した後に帰国し、父親や他の世代のミュージシャンと一緒に、ジャズとベトナムの典型的な伝統音楽素材を組み合わせました。ベトナム音楽に貢献したいというクエン・ティエン・ダックの願望は、祖国でジャズ音楽を普及させることにとどまらず、独自の民族音楽素材を使用して特殊な音楽ジャンルにベトナムの精神をもたらし、それによって世界におけるベトナムジャズの地位を高めたいと考えています。 

文:タオ・ヴィー

撮影:チャン・タイン・ザン


 


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