ベトナムのチャン・リュー・クアン副首相は25日午前、東京都内のホテルで開かれた日経フォーラム第28回「アジアの未来」で講演し、地政学的リスクの高まりなど、世界的な課題の解決に向け「アジアが貢献できる基盤を強くする必要がある」と語りました。
クアン副首相は、「アジア諸国は国連憲章を中心とした法に基づく国際秩序を実現する必要がある」と指摘し、地域の主要国がそれぞれの立場の違いを乗り越え、多国間協力を持続的に推進するとともに、WTO=世界貿易機関やIMF=国際通貨基金、世界銀行などの国際組織の改革を進めるよう訴えました。また、アジア諸国は持続可能な開発目標の実現のほか、食料とエネルギーの安全保障や、サイバーセキュリティ、人間の安全確保などの新たな世界的課題の解決に向け、共通の取り組みと行動を促す必要があるとしています。
ベトナム東部海域(南シナ海)問題について、クアン副首相は関係各国に対し、DOC=海上行動宣言を完全履行すること、1982年国連海洋法条約をはじめとする国際法に見合う実質的かつ効果的なCOC=海上行動規範を早期に制定すること、自制して情勢を複雑化させる行動をしないことを呼び掛けました。
クアン副首相は、ベトナムは全方位外交政策を堅持し、国際社会の責任あるメンバーとしてアジアと世界の平和・協力・安定・繁栄のために全力を尽くしていると強調しました。
(VOVWORLD)