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カラーでよみがえる歴史 ― ホー・チ・ミン主席の映像を復元する若者

ベトナムの歴史は、多くの芸術家やクリエイターたちにとって、尽きることのない創作の源となっています。そんな中、独自の形で歴史と向き合い、若い世代と過去を結びつけようとしている若者がいます。
ハノイ在住、1995年生まれのヴィエン・ホン・クアンさんです。

クアンさんは、古い白黒写真や映像をカラー化し、現代によみがえらせる活動を続けています。これまでに数百点もの歴史資料を復元してきましたが、中でも大きな注目を集めたのが、ホー・チ・ミン主席の映像です。

(ホー・チ・ミン主席の肉声)

今お聞きいただいているのは、1964年、フランス国営放送ORTFのインタビューに応じた際のホー・チ・ミン主席の肉声です。この映像は、2020年、ホー・チ・ミン主席生誕130周年を記念して公開され、SNS上で大きな反響を呼びました。

「まるで現代を生きている人のように感じた」

「歴史が急に近くなった気がした」

そんなコメントが数多く寄せられ、若い世代を中心に大きな話題となりました。

そのきっかけについてクアンさんは次のように語りました。

「この活動を始めたきっかけは、海外の若者たちによるAIを活用した写真復元プロジェクトでした。『写真だけでなく、映像も復元できるのではないか』。そう考えた私は、ホー・チ・ミン主席のインタビュー映像のカラー化に挑戦することにしました。」

しかし、その道のりは決して簡単なものではありませんでした。

古い映像に色をつけるということは、単にコンピューターで色を塗る作業ではありません。当時の時代背景や文化、服装、風景に対する深い理解が必要になります。

例えば、当時の服装はどんな色だったのか。街路樹や建物はどのような色合いだったのか。人物の肌の色、光の当たり方、表情の細かな陰影まで、一つひとつ慎重に確認しながら作業を進めていきます。クアンさんは、国内外の専門コミュニティで学び、資料を読み込み、さらに年配の人たちにも話を聞きながら、少しずつ技術と理解を深めていきました。

活動を始めた当初は、一本の短い映像を復元するだけでも、一週間、時には一か月以上かかることもあったといいます。

画質を上げるため、何度も修正を繰り返し、細かな色合いを調整する日々。それでもクアンさんは、「もっと自然に、もっと当時の空気を感じられる映像にしたい」という思いで、作業を続けました。

そして研究を重ねた結果、復元技術は大きく向上し、作業工程も効率化されていきました。

クアンさんを長年支えてきたチン・ティ・ニュー・ゴックさんは、次のように語っています。

「最初の頃は、本当に苦労していました。一本の映像に何週間もかかることがあり、機材や設備を維持する費用も必要でした。でも私は、この活動には大きな意味があると思っていました。歴史資料を未来へ残していく、とても価値のある仕事だと思います。」

現在では、ホー・チ・ミン主席に関するカラー復元映像や写真は数百点にのぼります。

もちろん、カラー化された映像そのものが、正式な保存資料になるわけではありません。しかし、こうした映像には大きな意義があります。

SNSや動画配信が日常となった現代において、美しく鮮明なカラー映像は、人々が歴史に親しむための新しい入口になっているのです。

ハノイ市民のフォン・タオさんは、クアンさんの作品について次のように語っています。

「カラー映像を見ると、ホー・チ・ミン主席がとても身近に感じられました。これまでは教科書や白黒写真の中の存在でしたが、映像を見ることで、本当にその時代を生きていた人なんだと実感できます。若い世代が歴史に興味を持つきっかけになると思います。」

ヴィエン・ホン・クアンさんの活動は、単なる映像技術ではありません。そこには、民族の歴史への敬意、そして次の世代へ歴史を伝えたいという強い思いが込められています。

カラーでよみがえった映像は、時代を越え、人々の心をつなぐ新たな架け橋となっているのです。

[VOVWORLD] 


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