ベトナムの職業

ウオック・レー村のゾー・チャー 

ハノイのタイン・オアイ郡にゾー・チャー(ベトナム風 ポークハム)をおよそ500年前から生産するウオック・レー村があります。特に、発祥地であるウオック・レーの村人達はウオック・レー商標の多くの食品を開発し、国中で販売されています。

 

 

歴史的な記録によると、ゾー・チャーを作る職業は莫朝(1527年 ~1592年)まで遡ります。宮廷の側室の一人がウオック・レーの村人で、故郷に戻って村の門を建て、ゾー・チャーの作り方を人々に教えました。ウオック・レー村の門は歴史の証拠として現存し、時間の浮き沈みを通して工芸村の痕跡を残しています。

毎年、ウオック・レー村では朔望月の満月の日に村の祭りを開き、国内外に住む村人が戻って来て、祖先の伝統的な工芸品を称えます。若者は豚を屠殺し、挽いて、親戚一同は共同の庭でゾー・チャーを詰めます。故郷の香りがするチャー、熱湯で煮たゾーは村の人々が神に供えるための特産品です。

 

  ゾー・チャーを作る伝統的な方法を今でも伝え続けているホアン・バー・ホップさんの家族。  

    ゾー・チャーを練った後、バナナの葉で包んで茹でる工程。

  祭りやテトにウオック・レー村の人々によって先祖に敬意を表して供えられるゾー・チャーの製品。

ゾー・チャーの他、ウオック・レー村の人々はゾー・ボー、ゾー・サオ、ゾー・ビー、チャー・クエ、チャー・ザンなど、さまざまな種類の家庭的な味の食べ物を作りました。どの種類のゾー・チャーも美味しく、ベトナム市場でも人気があり、ベトナムを訪れる多くの外国人観光客も大好きで、買い求め、味わっています。

ウオック・レー村のホアン・バー・ホップさんは、彼の家族はいつも午前3時に起きて豚肉を搗き、ゾー・チャーを作り、早朝に市場で売ることが多かったと話しました。彼の息子と孫がこの伝統的な職業を引き継いだ後、彼はゾー・チャーを挽く機械に多くの投資をし、ゾー・チャー生産所を開きました。テトが近づくと、彼の家族は市場に出荷するためにゾー・チャーを作ります。

ゾー・チャーを作るために機械を使っていますが、ウオック・レー村の人々は今でもレシピと職業村の昔から伝わる秘密を守っています。そのため、ウオック・レーのゾー・チャーの味は、他のゾー・チャー製品と同様に村人だけが作ることができます。


  現在、ウオック・レーのゾー・チャーを作る職業は発展を遂げ、特にウオック・レー村の人々は家族の伝統に因んだブランドを開発し、ハノイや他の都市、省にゾー・チャーを販売する店を開いています。通常、ウオック・レー・スアン・フオンのゾー・チャー、ウオック・レー・フック・ロック・トォーのゾー・チャーなどのトレードマークはウオック・レー村の人々によって作られた商標です。


美味しくて、食事に欠かせないウオック・レーのゾー・チャー。  

伝統的な味を保ちながら遠方への輸送ができるように
パッケージ化されているウオック・レーのゾー・チャー。
 

顧客から信頼されているスアン・フオンで作られたウオック・レー・のゾー・チャー製品。

ウオック・レー・スアン・フオンのゾー・チャーを生産するホアン・ティー・オアイン社長は、彼女の家族は3世代にわたって小さな家族規模の生産施設でゾー・チャーを製造していましたが、彼女はさらにハノイに二つのゾー・チャー工場を建てて発展させたそうです。また、ウオック・レー・スアン・フオン協同組合を設立し、毎日30種類以上のゾー・チャー製品を市場に提供しています。現在、スアン・フオンのゾー・チャーはハノイや近隣の各省のスーパーマーケット、伝統的な市場、多くの小売店で販売されています。

特にベトナム人の祭りやテトでは、テトトレイにゾー・チャーが欠かせません。ウオック・レー村の人々は、この仕事でお金を稼ぐことを誇りに思っており、多くのブランドを構築したウオック・レーのゾー・チャーはベトナム料理の文化的アイデンティティと伝統的な味に貢献しています。

文:ビック・ヴァン

写真:タイン・ザン


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