フランス通信によりますと、WHOは2020年1月30日、最高レベルの警告であるPHEICを宣言していました。

しかし、WHOの緊急委員会は今月4日、宣言を継続するメリットがなくなったとの結論に達し、「COVID-19のパンデミック（世界的な大流行）の長期的管理に移行する時がきた」と勧告しました。

２０２０年１月３０日の緊急事態の宣言から現在まで約３年３カ月に及び世界で６９０万人以上が死亡し、世界経済を混乱させたパンデミック（世界的大流行）の終焉に向けた大きな一歩となったと言えそうです。

ただし、テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長は記者会見で、新型ウイルスの危険はまだ去っていないとし、各国に対策の継続を呼び掛けています。

テドロス氏は、「新型コロナは世界を変え、私たちをも変えた。これがあるべき姿だ。新型コロナ感染拡大前の状況に戻れば、私たちは教訓を学ばず、未来の世代が失望することになる」と語りました。

また、WHO緊急事態対応責任者のマイク・ライアン氏も「戦いは終わったわけではない。われわれのシステムにはまだ弱点があり、新型コロナのウイルスや他のウイルスによって露呈されるだろう。それを修正する必要がある」と述べました。

公式統計上では、世界でこれまでに確認された新型ウイルスによる死者数は700万人近くとされていますが、テドロス氏によると、実数はその約3倍の「少なくとも2000万人」と推定されるということです。

なお、アメリカでは今月１１日に新型コロナに関する国家緊急事態宣言が解除されるほか、日本でも新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが８日に季節性インフルエンザと同じ「５類」に移行することになっています。（ParsToday）