ニュース

VJCCとトヨタ・ベトナム、サプライヤー育成で協力覚書 裾野産業を強化へ

今回の協力では、「経営塾」で日本式経営を学んだ企業のうち、自動車分野の製造業を対象にTMVが専門家を派遣し、現場のカイゼンなど約半年間の伴走支援を実施します。

23日、JICA国際協力機構ベトナム事務所は、貿易大学傘下のベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)とトヨタ・モーター・ベトナム(TMV)が、ベトナム企業のサプライヤー育成に関する協力の覚書(MOU)を締結したと発表しました。目的は、ベトナムの裾野産業の発展に寄与し、産業競争力とサプライチェーンの強靱性を高めることです。

JICAは2000年からVJCCへの支援を継続しており、その蓄積を踏まえてVJCCは2009年に経営層向け研修「経営塾」を開設しました。これまでに750社・1150名超のベトナム人経営者・幹部が、日本式の経営や生産・品質管理を学んでいます。

今回の協力では、「経営塾」で日本式経営を学んだ企業のうち、自動車分野の製造業を対象にTMVが専門家を派遣し、現場のカイゼンなど約半年間の伴走支援を実施します。研修後は、参加企業をサプライヤー候補としてTMVとのビジネスマッチングも行い、実務につながる機会を創出します。

MOUの締結の様子(写真:JICAベトナム事務所)

 TMVは2020年以降、ベトナム政府やベトナム裾野産業協会(VASI)と連携して、国内企業向け研修プログラムを展開してきました。これまでにおよそ130社が支援を受けており、現場改善と品質向上の取り組みが広がっています。今回の覚書は、こうした実績を土台に、VJCCの人材育成機能と結びつけて裾野企業の底上げを図る枠組みです。

在ベトナム日本国大使館の渡邊貴和公使参事官(経済部長)(写真:JICAベトナム事務所)

 本協力は、2024年に始動した日越官民連携の枠組み「新しい日越共同イニシアチブ」のワーキングチーム3の一環として位置づけられています。あわせて、今年5月に発出された民間経済開発に関する政治局決議第68号に掲げられた、海外パートナーとの連携による研修や、ベトナム企業と外資系企業の協力強化にも資する取り組みとして期待されています。

JICAは今後も、日本企業との連携を通じてベトナムの裾野産業育成を後押しし、両国の持続的な成長につながる交流を促進していく方針です。

(VOVWORLD) 


top