05/02/2021 11:51 GMT+7 print

グエン・テー・ホアン教授による生体移植の奇跡

世界初の生体ドナーからの臓器移植がベトナムで成功裡に行なわれ、不幸にも身体の一部を失った患者に希望の道が開かれました。このユニークな手と腕の移植は、108軍医中央病院副院長のグエン・テー・ホアン教授・博士および外傷整形外科院の上肢科とマイクロサージェリーの専門医によって実施されました。

ファム・ヴァン・ヴオン患者の手に生体移植を実施してから1か月以上が経過した2020年2月27日、彼は緊急回復室でグエン・テー・ホアン教授・博士に会い、治療と術後の状況の評価を受けました。

ヴオンさんは毎日、ハビリテーションを行っていますが、6か月から12か月後には腕が普通の人のように完全に回復すると予想されています。彼によると、新しい手を得るまでは健康な人になるチャンスがあるなんて信じることができず、夢のような話しでした。ホアン博士は常に親密で思いやりを持って彼に接し、まるで父親のように彼に愛を注ぎました。病院ではいつもブオンさんを励まし、リハビリ訓練の正しい方法を彼に指導しました。


108軍医中央病院副院長の教授・博士 グエン・テー・ホアン大佐。
撮影:タット・ソン



108軍医中央病院病院の指導者と一緒に移植計画と技術を発表するグエン・テー・ホアン大佐。
撮影:108軍医中央病院の資料



肢の移植の成功により今後さらに多くの移植を実施する教授・博士グエン・テー・ホアン大佐と同僚。
撮影:タット・ソン


世界初の手足移植を成功させた108軍医中央病院の医師たちとファム・ヴァン・ブオン患者。
 

ホアン教授は、再生治療において何千もの顕微鏡手術、フラップ移植などの手術に成功し、ベトナムと世界中の患者に健康と喜びをもたらすベトナム医学界の才能ある専門家です。2008年、ドイツのミュンヘンでの肢移植手術で世界医学界の歴史の中で注目された5人の専門家の1人でした。ホアン博士が30年以上専門に携わってきた108軍医中央病院軍事での手の生体移植手術は特別な意味を持ち、国際医療マップにベトナム人医師の専門と記されています。

ホアン教授によると、ブオンさんの手移植手術は、2008年のドイツでの手術よりもはるかに困難で複雑でした。しかし、患者に手術をするために様々な工夫を凝らされた医療の記録を収集し、歴史的な機会を受け入れる準備ができた時、ベトナム医学は一歩前進します。すべてのオプション、プロトコル、およびテスト手順を3年間に渡って準備を終え、患者のヴオンさんはドナーから移植のための生きた手を与えられるというまれな機会に恵まれました。特に、ホアン教授と手術チームは情熱と強い責任感を持って、予想を超える8時間の手術に取り組み成功させました。

ホアン教授は、かつてはこの分野の経験豊富な専門家であり、カンボジアの戦場で激しい年月の間患者を扱ってきた医師でもありました。当時、軍事医学アカデミーを卒業したばかりの22歳の彼は、カンボジアの戦場に行くことを志願し、チームのキャプテンになりました。


 

ファム・ヴァン・ブオン患者に手の移植を行った教授・博士 グエン・テー・ホアン大佐と彼の同僚。
撮影:108軍医中央病院の資料



世界初の手の移植という奇跡を起こしたホアン教授とその同僚。
撮影:タット・ソン



新しい手が接合され、動かすことができるようになったブオン患者。
撮影:タット・ソン



写真に示すように新しい手が小さなボールを動かせるようになった
回復期のブオン患者。
撮影:タット・ソン


ブオン患者に手の回復方法を指示するホアン教授。
撮影:タット・ソン


ブオン患者の新しい手の反射を直接テストするホアン教授。
撮影:108軍医中央病院の資料


職業上の事故のために手が切断されたソンラ省のタイの民族のロー・ヴァン・サムさんは、
現在108軍医中央病院に入院中で、ドナーが見つかれば次の肢移植に登録される予定。

 

戦争中に負傷し両足を切断され、1981年から病院で治療を受けているグエン・ヴァン・ティー患者をグエン・テー・ホアン教授の後について訪問しました。ホアン教授は、タイさんに3回の肢置換手術、脚の切断、治療を行ない、現在、ティーさんは回復しています。実は、ティー患者はカンボジアの戦場でホアン教授の同僚でした。

ブオン患者の手移植の成功は、ベトナムで手術の機会を待っている切断された患者に新たな希望をもたらしました。ホアン教授によると、現在、ソンラ省でタイ民族のロー・ヴァン・サムという若い患者に手を移植し治療する機会を待っています。サムさんは職業上の事故で手を切断しましたが、ブオンさんのように移植し、健康な手を持てるようになりたいという信念に溢れています。


左腕の3分の1を切断したファム・ヴァン・ブオンさんは、3年間手の移植を待っていました。1月3日、108軍医中央病院は、ベルトコンベヤーによって前腕の3分の1が脇腹に押し付けられた男性患者を受け入れました。医師は患者の腕を維持しようと3週間に3回の手術による治療を行ないましたが、肘と筋肉の壊死、感染により腕の三分の一を切断しなければなりませんでした。

切断された手足の部分はまだ比較的正常であり、対応するそれぞれの部位を切断した人々へ移植することができます。 患者は自分の体の一部を自発的にヴオンさんに移植するために寄付しました。手の移植後、すべての解剖学的構造が回復し、移植した手は健康な手のように完全に血液が灌流しています。手術直後、ブオンさんは移植した手の指を一人で動かすことができました。
文:ビック・ヴァン
撮影:タット・ソンと資料