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EUの新型コロナ復興基金で見える各国改革への課題

(VOVWORLD) -7月1日、EUの経済・財務相理事会は、欧州委員会の勧告に基づき12の加盟国のパンデミックからの復興計画を承認しました。

12カ国は、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ラトビア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スロバキア、スペインです(この他にスロベニア、リトアニア、キプロス、クロアチアの4ヶ国が既に欧州委員会の承認を得ています)。

今後、これら第一陣の諸国に復興基金から贈与および融資の形でディスバースが順次行われることになります。総額7500億ユーロの全体計画にEU首脳会議で政治的合意を達成したのが昨年7月であるから、それから随分時間を経過し、その間、米国が大規模な経済対策を打ち、中国が新型コロナウイルス禍以前の経済水準に回復する状況があり、EU内では復興基金の始動の遅れに苛立ちもあった様子です。欧州委員会としては極力急いだということでしょう。

他方、財源となる共通債券については、6月15日、欧州委員会が、10年債(利回り0.086%)を発行しました。200億ユーロの発行額に対して、およそ7倍の1420億ユーロの応募があり、まずは順調な滑り出しでした。2026年末までに最大8000億ユーロ超の発行が予定されています。高格付けのEUが定期的に大規模な起債を行うため、政府関係機関債市場において存在感を高めると見られます。

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