２０２３年ダナン国際花火大会（DIFF ２０２３）はダナン観光産業の「アイスブレイク」による取り組みが効を奏し、沿岸都市だけでなく、数年にわたり新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受けたベトナムの観光産業に「輝かしい希望」を灯すイベントとなりました。

新型コロナウイルス感染症の影響により３年間の延期を経て、英国、ポーランド、カナダ、フランス、フィンランド、オーストラリア、イタリアと開催国のベトナムが競い合い、国内外の観客が再び空とハン川での美しい花火大会を楽しみました。

サン・グループとダナン市人民委員会が後援・共催する「距離のない世界」をテーマにしたDIFF２０２３は６月２日に始まり７月８日まで４日間開催されました。その結果、最終日の夜に優勝を争う最終候補はフランスとイタリアとなりました。

決勝戦の夜、イタリアはDIFFで2連覇を達成した唯一のチームであるという思いから、「芸術の力」をテーマにした演出で、観客を静寂、躍動そして興奮から誇りを高める状態へと導きました。一方、フランスの新チームは「愛を灯して」をテーマに感動的でロマンチックな愛の物語で観客の感情を限りなく魅了し、見事２０２３年シーズンのチャンピオンとなり、賞金２万ドルを獲得しました。 

DIFF２０２３の審査員である映画部門ディレクター兼ベトナム美術協会副会長のヴィ・キエン・タイン氏は「ダナンで開催された過去１０回のDIFFと比べ、今回は品質の向上が見られました。品質は大幅に向上し、ベトナムチームもまた進歩しています」と述べました。

ダナン市人民委員会副委員長、DIFF ２０２３組織委員会会長のゴ・ティ・キム・イエン氏は、この花火大会がダナンの観光業を新型コロナウイルス感染症の以前の状態に戻す「後押し」となることが期待されると述べました。

ダナン観光産業の速報によると、国際花火大会はこの美しい沿岸都市の潜在的な観光産業の活性化に大きく貢献しました。５回のショーを見に３万人を超える観客が集まり、８カ国から８チーム、数千人のボランティア、国内外のメディア数百社が集まり、１カ月以上にわたってダナンの魅力を発信しました。

統計によると、フェスティバルが開催される６月の宿泊施設への総訪問者数は推定７０万６千人近くで、これは２０２２年の同時期と比べて３４,１％増加しました。また、この期間の客室収容率は７０%、宿泊サービスと飲食サービスからの収益は１兆８７４０億ドンに達しました。ダナン行きの便数は期間中１日最大１５０便（通常の１,５倍）となりました。今年の上半期で、宿泊施設が対応した到着者数の合計は３５０万人以上と推定され、これは２０２２ 年の同時期と比較して １１６,６% 増加しました。このうち、海外からの観光客は９３万人で前年同期比１１,３倍、国内観光客は２６０万人近くで同６７,７％増となりました。

DIFF２０２３シーズンが終了し、最高の花火大会を実施した反響と観光産業の力強い成長を記録する印象的な数字は、ダナンの観光産業が新たな課題を克服し続ける原動力となるでしょう。つまり、２０３０年までに高品質の観光とサービスの中心地となり、ベトナムと東南アジアの革新的な目的地となることが期待されています。さらに２０４５ 年までのビジョンでは、アジア有数の観光地を目指しています。多くの専門家によれば、より近代的で大規模な観覧席やリゾート、飲食、ショッピング、エンターテイメントを含む「花火のエコシステム」を備え、より系統的に投資されたら、ダナン花火大会はハン川の都市を世界の「新しい花火の目的地」になるでしょう。

文、撮影：タイン・ホア、タット・ソン／ベトナムフォトジャーナル

訳者：ソン・タム・クエン