ASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議が5日開幕し、議長を務めるインドネシアのジョコ大統領は、インド太平洋地域で大国の競争が激しくなる中、ASEANを対立ではなく協力の場にしたいと呼びかけました。
ASEANの首脳会議は5日、インドネシアの首都ジャカルタで開幕しました。
議長を務めるジョコ大統領は会議の冒頭、「ASEANはいかなる勢力の代理にもならず、平和と繁栄のためにはだれとも協力する。ASEANを対立の場にするのではなく、協力拡大の場にしたい」と呼びかけ、インド太平洋地域で激しくなるアメリカや中国など大国の競争とは距離を置く姿勢を強調しました。
今回の会議では、ASEANと中国が20年以上にわたって議論を続けているベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)での紛争を防ぐためのルール作りをめぐって、今月、双方が3年以内の策定を目指すガイドラインを承認したことを受けて具体的な進展につなげられるかが注目されています。
また会議では、軍と民主派勢力などとの間で戦闘が激化するミャンマー情勢をめぐり、ASEANの場で2年前に合意された暴力の即時停止など5項目の履行状況も議論されます。
そのうえで、軍と民主派勢力との対話を年内に実現できるかについて「最善を尽くすつもりだ。今当事者からの返事を待っている」と述べ、意欲を示しました。
また今回の一連の首脳会議では、米中など各国が戦略上の関与を強めるインド太平洋地域について、経済協力を議論するフォーラムがインドネシアの主導で初めて開かれます。
議長国インドネシアのルトノ外相は「ASEANはどの国とも争わないという点で一貫している。封じ込めではなく、包括的な関与によって具体的な協力に焦点を当てたい」と述べ、ASEANが経済協力の中心となって地域の安定をはかりたい考えを示しました。
ASEANの特使による対話の仲介など首脳たちが事態の打開に向けた道筋をつけられるかどうかが焦点となります。(NHK)
(VOVWORLD)