焦点

農業・農民・農村 持続可能な発展に向けた重要な選択肢

ベトナム農民協会第9回全国大会が、6月7日から8日にかけてハノイで開かれました。

国際統合やデジタル経済の進展に対応するため、農業・農民・農村が大きな転換を求められる中で開催される今回の大会は、生産支援を中心とした従来の発想から、農民を知識・市場・技術の新たなエコシステムへ導く発想への転換点として位置づけられています。
ベトナム共産党第14回党大会の文書では、「文明的かつ全面的に発展し、自立・自強の精神と発展への志を持つベトナム農民階級を育成するとともに、農業経済や農村経済の発展、新農村建設における農民の主体的役割を発揮させる」方針が明確に示されています。
農業・農民・農村―戦略的な基盤
農民と農業、農村は、刷新事業と祖国建設・防衛において極めて重要な役割を担っており、社会経済発展を支える大きな力となっています。
農業は食料安全保障を支え、数百万世帯の生計を守るとともに、重要な輸出産業としての役割を担い、農村文化や自然環境の保全にも貢献しています。
ベトナムは共産党の指導の下、世界有数のコメ輸出国となりました。これは国の経済・社会基盤を支え、困難な時期を乗り越えて改革を進める土台となった「歴史的な成果」と評価されています。
現在、ベトナム産農産物は200を超える国と地域に輸出されており、多くの品目が年間輸出額10億ドルを超える主要輸出品へと成長しています。
また、農民は国内労働力の3割以上を占める最大規模の社会集団であり、他産業への労働力供給源でもあります。農村地域は依然として大きな潜在力を持つ市場であり、投資誘致や消費拡大の面でも重要な役割を果たしています。
新たな姿勢と決意
農業はベトナムにとって最も重要な産業の一つであり、過去から現在に至るまで国家の安定と発展に大きな影響を与えてきました。また、多くの外貨収入をもたらし、国際社会におけるベトナムの地位向上にも貢献しています。
一方で現在、農地の遊休化や農村からの人口流出が進み、農業を取り巻く環境は新たな課題に直面しています。背景には、農業所得の低さや不安定さがあります。
こうした課題に対応するため、ベトナムは「農業生産」から「農業経済」への転換を進めており、その中心に農民を据えています。
2022年6月16日付の党中央委員会決議第19号や第14回党大会文書などでは、農民を発展の主体であり中心的存在と位置付けています。
現在の重要な目標は、文明的で知識を備え、全面的に発展した農民階級を育成することです。新しい時代の農民には、生産技術だけでなく、バリューチェーンへの理解や技術活用能力、商品の魅力を発信する力、さらには個人や地域のブランドを築く力が求められています。
こうした中、ベトナム農民協会の役割も見直されており、会員を知識・市場・技術の新たなエコシステムへ導くことが期待されています。
ベトナム農民協会のブイ・ティ・トム副会長は次のように述べました。
(テープ)
「優秀な農業生産・経営者を支援し、農業企業の設立につなげることは、4つの重点課題の一つに位置付けられています。この実現に向けて、農民協会は優秀な農業生産・経営者に対する研修を強化し、農村部の協同組合や中小企業の理事長・社長として活躍できる人材を育成していきます。また、農民支援基金や銀行からの委託融資を活用して資金支援を拡充するとともに、農民による企業設立を後押ししていきます」
農業はベトナムの強みであり、重要な国家資源であるだけでなく、国の持続可能な発展を実現するための極めて重要な選択肢でもあります。
かつて「後方支援の場」と見なされていた農村や農地、農場は、いまや改革の最前線へと変わりつつあります。
知恵とたゆまぬ努力、そして向上心を持つ農民たちは、これからもベトナムの発展の歩みを支える重要な担い手となっていきます。

[VOVWORLD] 


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