「私はベトナムの工員や労働者たちから、決して諦めない精神とチームワークの大切さを学びました。彼らは常に一つのチームとして力を合わせて働いています」と浜島氏は語りました。
作業現場の監督者と日々の業務についての意見交換。 撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
住友重機械工業ベトナム(SHIV)の浜島社長は数千人のベトナム人労働者から慕われるリーダー的存在。 撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
こうした考えのもと、SHIVは人材育成と能力開発に注力しています。彼はこれまで、機械オペレーターとして現場で働いていた多くのベトナム人従業員が、技術者や専門家、さらには管理職へと昇進していく姿を見てきました。浜島氏にとって、それは最も価値ある成果の一つです。つまり、労働者たちは単に技術を扱うだけでなく、技術と共に成長し続けていくことができるのです。
浜島氏はまた、従業員が長く働き続けられる職場環境づくりも重要な要素だと考えていました。油臭の軽減や工場内の温度管理、機械騒音の低減といった具体的な改善は、日々工場を支える従業員への配慮を示すものでした。
ベトナムで過ごした年月の中で、彼はパンデミックから、技術や品質への高度化する要求まで、数々の変化を目の当たりにしてきました。そのような変化の中で、SHIVの従業員たちは学び続け、改善を重ね、環境の変化に適応してきました。浜島氏にとって最も大きな価値は、最新鋭の生産ラインやハイテク製品だけではなく、それらを支える人々の成長にあります。工場は鉄鋼や機械、設備だけで成り立つものではなく、共に働き、学び、困難を乗り越えていく人々によって築かれるものなのです。
今日でも浜島氏は工場の各製造現場を巡り、従業員たちに声をかけ、機械のそばで足を止めて仕事の様子を尋ねたり、日常の出来事に耳を傾けたりしています。その姿は、まるで「船長」が自らの船に寄り添っているかのような印象を与えます。ただ先頭に立って進むべき方向を示すだけでなく、共に船を動かす仲間たちの輪の中に身を置いているのです。
技術部門の社員たちと業務についての意見交換。 撮影:チャン・タイン・ザン/ベトナムフォトジャーナル
浜島氏がベトナムに残したかったものは、住友ブランドの製品だけではなく、より高い技能を身に付け、自信を持ち、自らの能力を最大限に発揮できる人材なのかもしれません。
文:ビック・ヴァン、グエン・トゥオイ/ベトナムフォトジャーナル