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日本の外務大臣、トー・ラム書記長・国家主席の訪日が日越関係を新たな高みへ引き上げるとの期待を表明

トー・ラム・ベトナム共産党書記長兼国家主席夫妻およびベトナムの高級代表団は、2026年11月8日から11日まで、日本を公式訪問する予定です。この機会に、日本の茂木敏充外務大臣は東京でベトナム通信社の記者のインタビューに応じ、今回の訪問の意義と特別な重要性について語りました。

茂木敏充外務大臣。撮影:日本外務省/写真掲載:ベトナム通信社 

記者:高市早苗首相は、2026年5月のベトナム訪問に際し、両国の包括的戦略的パートナーシップを新たな段階へと発展させるため、引き続きベトナムと緊密に連携していく意向を表明されました。今般予定されているトー・ラム書記長・国家主席の訪日は、この新たな段階における両国の政治的信頼の強化と二国間関係の深化にどのような意義を持つとお考えでしょうか。

茂木敏充外務大臣:まず、ベトナムは、私にとって思い入れのある国である。私が経済再生担当大臣であった2017年に、ベトナムと共同議長としてCPTPPの大筋合意をとりまとめたことをよく覚えている。今、両国の協力関係が、経済分野にとどまらず、安全保障協力や、経済安全保障を始めとする幅広い分野で着実に具体化していることを心強く感じている。

こうした中、今年5月の高市総理のベトナム訪問は、両国の包括的戦略的パートナーシップを一層強化するとの日本の強い意志を示すものであった。11月8日からのトー・ラム書記長兼国家主席の訪日は、総理の訪越に続く首脳の相互往来であり、首脳間で培われた強い信頼関係を基に、二国間関係を名実ともに新たな高みへと引き上げる重要な機会になると確信している。

特に、国際情勢が大きく変動する中、ベトナムは「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた核心的なパートナーである。5月に高市総理が、まさにハノイで進化したFOIPを発表したことは象徴的である。フン首相からも、首脳会談後の共同記者発表において、FOIPへの支持を表明いただいた。今回のトー・ラム書記長兼国家主席の訪日では、日本の国会での演説も予定されている。日越の相互理解と信頼関係、そして戦略的連携を更に深め、それを力強く内外に示すことは、日越関係の更なる発展のみならず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化や、地域の平和と安定に向けて重要な意義を持つと考えている。 

記者:ベトナムと日本は、エネルギー、重要鉱物、人工知能(AI)、半導体、宇宙分野における経済安全保障上の協力を、新たな優先課題として位置づけています。これらの分野のうち、近い将来、具体的なプロジェクトや共同の取り組みとして実現する可能性が最も高いのはどの分野だとお考えでしょうか。また、これらを推進するために、両国にはどのような調整の仕組みが必要でしょうか。

茂木敏充外務大臣:現在、AIを始めとする新興技術や資源確保、権益拡大をめぐる競争の激化などを受け、経済安全保障、エネルギー安全保障、食料安全保障など、日越両国が協力して対応すべき外交課題の範囲は大幅に拡大している。両国は経済的威圧への懸念を共有しており、5月の高市総理の訪越の際には、両首脳は、経済安全保障を日越協力の新たな優先分野として位置付けた。今般のトー・ラム書記長兼国家主席の訪日に際しても、経済安全保障分野での協力は主要な成果の一つになると考えている。

多くの課題があるが、現下の中東情勢なども受け、喫緊の課題の一つはエネルギー安全保障である。日本は、ベトナムを始めとするアジア諸国におけるエネルギー供給体制の強化、エネルギー源多様化、産業の高度化に向けての協力を進めるために新たに立ち上げた「パワー・アジア」や、経済・エネルギー強靱化の視点を強化した「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」の下で、協力案件の具体化を図っていく。また、進化したFOIPの柱となる考え方でもある、経済を含むあらゆる側面での日越双方の「自律性」と「強靱性」を高めるため、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靭化やAI、半導体、宇宙等の分野でもベトナムとの協力の裾野を広げていきたいと考えている。

こうした取組を着実かつ迅速に進めていくためには、政府関係当局間のみならず、双方の産業界や学術界も巻き込んだ連携が不可欠である。ベトナム側の状況やニーズに寄り添いながら、きめ細やかな連携を進めていきたい。

記者:国際・地域情勢が変化し、経済安全保障、エネルギー安全保障、サプライチェーンの強靱性の確保に新たな対応が求められる中、日本はASEAN主導の枠組みや多国間の場で、ベトナムとどのように連携していきたいとお考えでしょうか。また、今後数年間で、両国が共に推進できる具体的な取り組みや成果として、どのようなものを期待されていますか。

茂木敏充外務大臣:国際情勢が厳しさを増し、経済安全保障やサプライチェーンの脆弱性への対応が求められる中、日本はASEANが主導する多国間枠組みや、地域的な多角的自由貿易体制において、ベトナムとの連携を極めて重視している。

国際統合を外交の重要な柱に掲げ、ASEAN及び国際社会において一層主体的、積極的な役割を果たしているベトナムは、今年はCPTPPの議長国として、そして来年はAPECの議長として重責を担う。そうしたベトナムの貢献に対し深く敬意を表するとともに、日本はベトナムへの協力を惜しまない考えであることをお伝えしたい。ルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持・強化の観点から、例えばCPTPPについては、その高い水準を維持しつつ、戦略的に拡大していくことが重要であり、今後とも、多国間のプラットフォームを活用しつつ、ベトナムと共に主導的な役割を果たしていきたい。

また、地域におけるエネルギー安定供給とクリーンエネルギー移行の両立に向けた取り組みをはじめ、メコン地域の持続可能な開発や連結性の強化を通じて、地域全体の持続可能な成長と安定に向けても日本とベトナムが共に貢献していく余地は大きいと考えている。

加えて、両国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、安全保障や法執行分野における協力も極めて重要である。南シナ海をはじめとする海洋における「法の支配」の貫徹に向けた国際場裡での連携を深めるとともに、安全保障能力向上に向けた二国間の協力等の取組を着実に積み重ね、ベトナムと共に、地域の平和と安全の確保に貢献していきたい。


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