国連総会は5月20日、国際法に基づく気候変動対策の義務を各国に改めて求める決議を採択しました。
決議は賛成141票で可決され、アメリカ、ロシア、イランなど8か国が反対票を投じました。この決議は、太平洋の島国バヌアツが主導したもので、国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見の実施を後押しすることを目的としています。
2023年6月18日、イギリス・グレンジで、長期干ばつにより干上がったダーウェント川に架かる橋を渡る住民(資料)(写真:REUTERS/Phil Noble)
ICJはこれまでに、気候変動対策に関する義務を十分に果たさない国は、国際法違反と見なされる可能性があり、被害を受けた国々への補償義務が生じ得るとの見解を示していました。ただし、ICJの勧告的意見には法的拘束力がありません。
そのため、バヌアツは今年1月、この内容を具体化するための決議案を提出していました。しかし、各国間の交渉を経て文書内容は大きく修正され、多くの国では国家安全保障や産業上の利益などが優先される形となり、気候変動問題の位置づけは後退したとされています。
今回の国連総会決議は、ICJの勧告的意見を歓迎するとともに、各国に対し、気候保護と地球温暖化の影響抑制に向けた義務を履行するよう求めています。また、気候義務に違反した国については、ICJの法的見解に沿って、「被害を受けた国々に対する全面的な補償」を求められる可能性があると明記されました。
一方で、気候変動による損害を記録する「国際損害登録簿」の設立提案については、交渉の過程で最終文書には盛り込まれませんでした。
[VOVWORLD]