次は、2014年か2015年の春に、私たちは「水の王」タオ・ミー・ザン氏に同行し、マーピーレン峠の頂上へ水源を探しに向かいました。「水の王」とは、ドンヴァンに住むモン族の人々がタオ・ミー・ザン氏に与えた称号で、彼はマーピーレン峠周辺で水源を見つけ、地域住民の生活に役立てるという特別な才能を持っていたからです。風が吹き荒れ、濃い霧が立ち込める峠の頂上に立ち、「水の王」タオ・ミー・ザン氏はこう言いました。「秘訣なんて何もありません。ただマーピーレン峠の頂上に登って、雲の流れを観察してください。霧が特定の谷に集まっているのが見えたら、その霧は必ず岩に張り付いて、水を集めます。後は、住民たちに猫耳岩の窪みまで行って、水源をきれいにするよう伝えるだけです。」「水の王」タオ・ミー・ザン氏の実話は、マック・ヴァン・チュン監督によってドキュメンタリー映画『タールン山頂の歌』として映像化され、国内外の映画祭で数々の賞を受賞しました。
翌朝、私たちも午前5時から峠の頂上へ向かい、待ち続けましたが、これまでと同じように結局うまくいきませんでした。峠は濃い霧に包まれ、モン族の人々が焼畑を始めた時のかすかなトウモロコシの煙の匂いだけが漂ってくるばかりでした。
そして今回、縁があってか、私たちは夜明け前、鶏が鳴く頃にローローチャイの村から約40kmを急いで移動し、マーピーレン峠の頂上に到着しました。すると、雄壮な峠の地に幻想的な風景が広がっていたのです。雲がトゥーサン渓谷からニョクエ川に沿ってメオヴァック県の方へと流れ、まるで峠を横切る白い絹の帯のようでした。やがて雲が薄まり、太陽が昇ると、扇のように広がる陽光が雲を突き抜けて峠一面に差し込み、壮麗な景色を作り出しました。