世界三大映画祭の一つである第74回ベルリン国際映画祭の授賞式が24日(日本時間25日)開かれ、最優秀新人作品賞に相当する「最優秀初長編映画賞」にベトナムのファム・ゴック・ラン監督の「クーリーは決して泣かない」が選ばれました。
今年は、コンペティション部門、エンカウンターズ部門、パノラマ部門、フォーラム部門、ジェネレーション部門の各カテゴリーで 16点 の作品が「最優秀初長編映画賞」にノミネートされました。
パノラマ部門に属するファム・ゴック・ラン監督の「クーリーは決して泣かない」は、東洋文化と西洋文化の間の家族と社会関係に焦点を当てる作品です。この映画について、著者のマシュー・ジョセフ・ジェンナー氏は、「見る人は過去と現在の間のあいまいな空間に連れて行かれ、さまざまなレンズを通してベトナム文化を見ることができる。これらはすべて、困難な過去と有望な未来の間で常に、板挟みになっているこの国の全体的なイメージを作り出している」とコメントしました。
一方、ファム・ゴック・ラン監督の映画芸術について、映画『クーリーは決して泣かない』のクリエイティブディレクターであるファン・ダン・ジー監督は「ファム・ゴック・ラン監督の映画の斬新さは、私たちが映画で見慣れている通常の物語の構造を打ち破ることから来ている」とコメントし、次のように語りました。
(テープ)
「私たちは、因果関係の物語、クライマックス、スリリング、または見る人から直接感情を呼び起こす要素に依存することが多いです。ラン監督の映画は、その物語スタイルを放棄し、新しいスタイルに移行しています。そのスタイルの中ではすべてが複数のピースとなり、これらのピースは一見ランダムに見えますが、実際には非常に賢明な方法で構成されています。これにより見る人は歴史問題や個人的な問題、人間の生活に関する重要な問題に対する新たなアプローチで新たな現実を受けられるようになりました」
なお、ファム・ゴック・ラン監督はベルリン国際映画祭でもおなじみの監督で、2016年の映画祭で彼の映画「他の都市」と、2019年の映画祭で映画「良い土地」は注目を集めました。
(VOVWORLD)