ベトナムとの友達

ベトナム、持続可能な統合に向けた基盤整備進める

ベトナム共産党第14回全国代表大会後、ベトナムには、より主体的で効果的、かつ持続可能な方向で国際統合を加速させる要求が出ています。

政治局の決議第59号は、国際統合を短期的な課題ではなく、科学・技術、デジタル転換、民間経済の発展に関する諸決議と連動する長期的なプロセスとして位置づけています。

国際統合を実質的なものとするためには、インフラや制度、政策実行能力、企業セクターの活力など、国内基盤の強化が不可欠です。その過程において、日本と韓国は、持続可能な統合の基盤となる柱をベトナムと共に構築・強化する重要なパートナーとなっています。

2024年12月22日から運行開始したホーチミン市メトロ1号線(写真:JICA) 

日本:JICA、統合の基軸分野に注力

JICA国際協力機構ベトナム事務所の小林洋輔所長は、2045年までに高所得国入りを目指すという目標は、現在ベトナムが進めている改革プログラムと密接に結びついていると指摘しています。その上で、最も効果的な支援とは、改革の方向性に合致する支援であると強調しました。

(テープ)

「JICAは、ベトナムが2045年の高所得国目標に向かううえで最も重要なのは、ベトナムの「改革の方向性」をしっかり支えていくことだと考えています。すなわち、科学技術・イノベーション・デジタル転換、国際統合、制度整備、民間経済の発展、グリーン転換といった改革の方向性です。JICAは、これらを支えていくための協力を重点的に実施していきます」

JICAベトナム事務所の小林洋輔所長(写真:JICA)

また、小林所長は、国際統合は単なる「開放」にとどまらず、経済全体が円滑に機能する能力こそが重要だと指摘しています。投資や貿易の安定した流れを確保するためには、十分な接続性を備えたインフラと、明確な制度枠組みが不可欠だとしています。この考え方のもと、JICAは空港、港湾、道路、橋梁などのインフラ事業をベトナムと共に実施するとともに、法制度の整備や投資環境の改善を支援してきました。

(テープ)

「国際統合を一層進めるうえで、JICAは連結インフラや制度構築などの面で、さまざまな協力を実施できると考えています。例えば連結インフラに関しては、これまでJICAは空港や港、道路、橋など、さまざまな分野を支援してきました。また、各種の法制度や投資環境の整備などを通じて、ベトナムの国際統合をしっかり支えていくことが重要だと考えています」

JICAの支援により整備されたベトナム北部の輸出入拠点・深水港ラックフェン港(写真:JICA) 

こうした優先分野から、JICAが「主体的かつ深い国際統合」に関する決議第59号や、「科学・技術、イノベーション促進」に関する決議第57号の精神を実質的な協力として具体化していることがうかがえます。港湾や都市鉄道(メトロ)など、地域間および国際的な接続性を高めるインフラ事業を中心に、証券市場の質と透明性の向上支援、さらにAIや半導体分野での協力も進められています。

グリーン転換の分野では、気候変動対応や防災政策の支援とともに、排出管理や都市排水システムに関する技術移転を組み合わせ、ベトナムの持続可能な発展能力の強化に貢献しています。

韓国:グローバル・バリューチェーンにおけるベトナムの地位向上を支援

韓国側の視点から、韓越経済文化協会(KOVECA)のクォン・ソンテク会長は、ベトナムと韓国の関係が「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げされたことで、協力の幅が大きく広がったと評価しています。

「ベトナム共産党第13回大会の任期中、韓越関係は包括的戦略的パートナーシップへと格上げされ、外交面で「黄金の節目」を迎えました。従来は貿易・投資を中心とした経済協力でしたが、現在はサプライチェーンの安定、国防産業、医療、科学技術、人材育成、文化交流など、国家戦略レベルへと拡大しています」

韓越経済文化協会(KOVECA)のクォン・ソンテク会長(本人が提供する写真) 

統合の観点から、クォン会長は、長期的な目標はベトナムが内発的な産業能力を蓄積し、グローバル・バリューチェーンの中でより高付加価値の工程を担えるよう支援することだと強調しました。

「最も核心的な成果は、ベトナムが下流の組立工程から、中流・上流工程へと移行するための足がかりを築いたことです。言い換えれば、韓国との経済協力は、低コスト依存の量的成長から、技術と高度人材に基づく質的成長へと、ベトナムの成長モデル転換に貢献する戦略的意義を持っています」

このアプローチは、科学・技術とイノベーションを促進する決議第57号、民間経済の発展を掲げる決議第68号の方向性とも一致しています。より高い段階でバリューチェーンに参画するためには、強固な技術力、高度人材の育成、そして十分な競争力を持つ民間経済セクターの形成が不可欠です。

投資家および法務アドバイザーの立場から、ユルチョン法律事務所ベトナム支店のイ・ホンベ代表は次のように指摘しました。

「ベトナムは、韓国企業に数多くの「黄金の機会」を提供しています。しかし、海外投資は国内市場とは本質的に異なるという点に十分留意する必要があります。そのため、企業には綿密な準備、体系的な投資、そしてより一層の粘り強い努力が求められます」

ユルチョン法律事務所ベトナム支店のイ・ホンベ代表 

これらの見解は、「透明性」「安定性」「予測可能性」といった要素が、企業が安心して投資を拡大し、ベトナム市場とより深く結びつくための前提条件であることを示しています。

このように、持続可能な国際統合とは、単なる対外関係の拡大ではなく、国内基盤の質を高めることにその本質があると言えます。投資と貿易の流れを円滑にする接続インフラ、リスクを低減し予見性を高める制度と投資環境、そしてより高い価値段階へと移行するための科学技術、人材、強固な民間セクターなど、この全体像の中で、決議第59号が「道を開く」役割を果たし、決議第57号と第68号が技術革新と企業発展の原動力となっています。

(VOVWORLD) 


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