何世代にもわたって、キン族の伝統的な料理村は魅力的な料理を生み出し、ベトナム料理の生態系を広め形成してきました。料理はもはや職業村から街に伝わっただけでなく、国際的な料理の一つとなっています。ハノイの料理は世界中から来た観光客の心に深く浸透し、ベトナム人の平和で幸せな生活への願いと希望をもたらしています。
職業村は首都ハノイ料理の「ゆりかご」
首都ハノイには長い歴史を持つ有名な料理村がたくさんあります。各料理にはそれぞれ村の名前が付いています。例えば、タイン・チ村のバイン・クオン、フー・トォン村のおこわ、ラン・ヴォン村のコム・トム、フー・ド村のブン・ガン、ロー・ケ村のバイン・チュン、ウォック・レ村のゾー・チャなどです。料理の村は常に村の各家族で構成されています。祖父、父、息子の世代から孫へと伝統的な職業が伝えられ、それぞれの家の特徴を出すための料理法は秘伝の門外不出となっています。
私達はゾー・チャ(豚肉のソーセージ)のタイン・オアイ県ウォック・レ村を訪問し、有名な工芸村の雰囲気を体験しました。ウォック・レ村のゾー・チャを作る職業は約500年前から存在しています。封建時代にはこの料理は非常に高貴で、上流階級の宴会にのみ登場しました。1958年、ウォック・レ村のゾー・チャ「トゥエン・タイン」ブランドの製品はフランスに輸出されていました。補助金期間中、ウォック・レのゾー・チャも高級料理と見なされていました。
ホアン・バ・ホップさんの家族は、3世代にわたってゾー・チャ生産業を継承し発展させてきたウォック・レ村の典型的な例です。下の娘ホアン・ティ・オアンさんは、4つの生産施設を備えた有名なスアン・フォン協同組合をハノイに創設した家族の伝統を引き継ぐ3代目です。「スアン・フォン」のゾー・チャ製品はハノイのOCOP(One Commune One Product)として認定されており、ハノイのスーパーマーケットや伝統的な市場で販売されています。また多くの外国人観光客がハノイに来るといつも持ち運び易いお土産として買っていきます。