カンボジアとタイは7日、国境地帯での激しい武力衝突を先月下旬に終わらせた停戦合意の継続を確認しました。
両国の高官による安全保障会合がクアラルンプールで開かれ、停戦の厳格な履行と国境での緊張緩和に向けた措置が承認されました。
いわゆる「合同国境委員会」は、係争地における部隊や兵器の移動・増強を行わないことでも一致しました。さらに、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の国防担当者から成る暫定チームによる停戦監視も支持されたと、タイ当局者が記者団に語りました。監視チームは現在ASEANの議長国となっているマレーシアが主導します。
国境委員会は、国境問題を協議する2国間枠組みの一つです。今回の会合は当初カンボジアでの開催が予定されていましたが、タイ側の要請でクアラルンプールに変更されました。会合にはマレーシアと中国、米国の代表もオブザーバーとして出席しました。
会合の結果を踏まえ、5日間の戦闘で国境付近から避難を余儀なくされた民間人数十万人の帰還が進む可能性があります。7月29日の停戦後も、カンボジアとタイは係争地に部隊や兵器を展開し続けました。一連の衝突では40人以上が死亡、多数が負傷しました。
停戦はマレーシアのアンワル首相がASEAN議長として仲介。トランプ米大統領は、貿易関税を交渉材料に停戦に向けタイとカンボジアに圧力をかけました。
両国の対立は、植民地時代の地図や条約に基づく国境の線引きを巡る長年の争いに起因します。両国関係は数十人の死者を出した2011年の衝突以降は比較的安定していましたが、先月になって再び悪化しました。(bloomberg.co.jp)
(VOVWORLD)