特別な記事

「海に強く、海から豊を得る」戦略から「強力な海洋国家」へ

2026年7月28日、第十四期党中央委員会第3回全体会議で採択された決議第20-NQ/TW号は、海洋経済の開発と発展から、ベトナムを「強力な海洋国家」へと建設するいう転換を示すものである。 


面積が陸地の約3倍にあたる100万平方キロメートルを超える広大な海域を有するベトナムは、海を単なる神聖な主権空間としてだけでなく、戦略的な発展空間として位置づけている。2026年7月28日に第十四期党中央委員会第3回全体会議で採択された決議第20-NQ/TW号は、海洋経済の開発と発展から、ベトナムを「強力な海洋国家」へと建設する方向への転換を示すものである。 


2026年7月20日午前、党中央本部において、第20期党中央委員会第3回全体会議が開幕した。  撮影:ベトナム通信社
トー・ラム書記長兼国家主席は、第十四期党中央委員会第3回全体会議の閉会式で演説を行った。  撮影:ベトナム通信社

決議の重要なポイントは、開発に関する考え方の転換である。すなわち、海洋資源の開発から現代的な海洋管理へ、海洋経済の発展から「強力な海洋国家」の構築と発展へと転換した点である。これにより、海は単なる資源ではなく、成長拠点経済セクター、そして新たな開発の原動力となる空間として、同時に国家建設と防衛における重要な柱の一つとして位置づけられている。 

新しい考え方では、国家海洋空間データと海洋空間計画に基づいた、現代的で統一的かつ連携的な海洋ガバナンス体制の構築を求めている。海洋管理は海面にとどまらず、海底、海底下の地層、島嶼、沿岸地域、さらには海上空域までを包括すべきであり、同時に、陸地と海・島嶼、そして経済発展、国防、安全保障、環境保護との連携を強化することが求められている。 

この決議は、「強力な海洋国家」の開発と現代的な海洋ガバナンスのための制度的枠組みの完成を戦略的な突破口として位置づけている。ベトナムは国家海洋空間計画の刷新と並行して、海の潜在力と優位性をより効果的に活用し、成長拠点、経済センター、海洋経済回廊、そして新たな発展空間を形成することを目指している。 


有名なリゾート地として観光客を魅了しているフーコック経済特区(キエンザン省)は、国家および地域レベルの海洋経済の中心地となることを目指し、力強い変貌を遂げている。  撮影:チュオン・フー・クォック

この転換は、海洋資源へのアプローチにも表れている。資源開発にのみ焦点を当てるのではなく、海洋開発は科学技術、イノベーション、デジタル変革、そして質の高い人材育成を基盤としている。同時に、ベトナムは海洋企業の強化を目指し、特に大規模企業や複合企業の発展、現代的でグリーンかつスマートな海洋経済セクターと新しい海洋分野におけるブレークスルー、海洋インフラの包括的な整備、国家開発空間を拡大、そして強い国家および地域海洋経済センターの形成に注力している。 

新たな方向性の核心的なテーマは、海洋開発は環境保護と生態系保全と両立させなけれはならないいう点である。海洋資源の開発と利用は、生態的限界と海洋環境および海洋の収容能力の許容範囲内で行われるべきであり、同時に気候変動や海洋変動に対応し、回復力を高め、自然災害リスクを軽減するための積極的な対策を講じる必要がある。 

決議はまた、海洋経済の発展を国家建設と防衛と密接に関連づけている。国防・安全保障、そして海上および島嶼における安全の確保は、経済発展、環境保護、国際統合と結びついており、平和で安定した発展環境の維持を目指している。 


ベトナム人民海軍、ベトナム沿岸警備隊、国境警備隊、常設民兵海上隊などの海上武装部隊、そして多数の最新鋭装備や艦艇が参加する海上パレードが開催され、八月革命成功80周年と9月2日の建国記念日を祝った。  撮影:海軍軍種/ベトナム通信社掲載
ホーチミン市の石油・ガス関連企業は、同市を国家的な海洋経済の中心地に発展させ、世界の海洋エネルギー供給網に幅広く参画することを目指し、発展に邁進している。  撮影:ドアン・マイン・ズオン/ベトナム通信社
カマウ省の風力発電は、地域のエネルギー産業の強みの一つとされている。海上では海抜80〜100mにおける平均風速は6.3〜7m/sに達し、この地域は風力発電開発に非常に適している。沖合に進むほど風速はさらに高くなる。  撮影:レー・ミン/ベトナム通信社

この方針はまた、沿岸コミュニティの役割についても強調している。海洋文化の構築、住民の生活向上、沿岸および島嶼コミュニティの強化は、国家建設と国防の過程の一部とみなされている。したがって、「強力な海洋国家」の建設は、行政機関や海洋経済部門だけの任務ではなく、党全体、国民全体、軍全体、そして政治体制全体の任務である。同時に、それは組織、企業、そして国民の権利、責任、義務でもある。 

決議は、2030年までの総合的な目標と2045年までのビジョン、そして2026年から2030年の期間における6つの目標グループを定めている。それは、経済、海洋空間および海洋インフラの開発、科学技術とデジタル変革、海洋空間ガバナンス、環境保護と持続可能な開発、文化と社会、国防、安全保障と外交である。


ダナンは数多くの美しいビーチと手つかずの島々に恵まれ、荘厳でロマンチックな景観を形成している。  撮影:タイン・ホア/ベトナムフォトジャーナル

これらの目標を実現するために、9つの主要な任務と解決策が定められた。主な内容は次のとおりである。党の指導力を強化し、思考を刷新し、強力な海洋国家の発展に関する意識を高め、国家海洋ガバナンスの有効性と効率性を向上させる。制度を整備し、国家海洋空間計画を革新して、強力な海洋国家の発展に突破口を開く。資源を動員、促進し、効率的に活用して、海洋企業特に大規模企業やコングリマリット企業を強力に発展させる。科学技術、イノベーション、デジタル変革、および質の高い人材を育成する。現代的でグリーンかつスマートな海洋経済セクターと新たな海洋セクターおよび分野の発展に突破口を開く。包括的な海洋インフラを整備し、国家発展空間を拡大し、強い国家および地域の海洋経済センターを形成する。環境を保護し、海洋生態系の保全し、気候変動に積極的に適応する。沿岸および島嶼地域の回復力を強化する。 

「海に強く、海から豊を得る」から「強力な海洋国家」への転換は、開発思想における根本的な変化を意味する。海はもはや単なる開発すべき資源としてだけでなく、管理、保護、そして持続可能な開発を要する戦略的空間として捉えるようになった。このようなアプローチに基づき、ベトナムは経済発展、科学技術、環境保護、国防、安全保障、外交を調和的に組み合わせ、海を国家全体の力の重要な柱の一つとして位置づけることで、総合的な海洋力の構築を目指している。 

文:ロン・グエン

撮影:タイン・ホア、レー・ミン/ベトナムフォトジャーナル、チュオン・フー・クォックトベトナム通信社



top