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Arts

日本市場にとって魅力的なベトナムのソフトウェア業界の人材

今、ベトナムのソフトウェア業界の人材が日本市場の注目を集めている。日本とベトナムは多くの文化的な共通項があり、また現在、両国の外交関係が歴史上最良の時期を迎えているという利点により、日本企業にとってベトナムはソフトウェア開発分野においてインドと中国に次ぐ第三の戦略的なパートナーであると評価されている。


日本パートナーと意見交換をする
ベトナムソフトウェア企業


「日本市場向けのベトナムの
ソフトウェア生産業界には、大きな
発展のチャンスがある」と語るFPT
ソフトウェアのソフトウェア第11開発部チャン・ダン・ホア部長


ベトナムのソフトウェア業界の人材は、若く、基本的な知識を有しており、
プレッシャーのかかる職場環境でも
適応できると評価されている


ベトナム人ソフトウェアエンジニアの
意見交換


FPTソフトウェアは、日本市場に
進出するチャンスを掴んだベトナムを代表するソフトウェア企業の一つ


FPTソフトウェアのソフトウェア
第6開発部における品質管理工程

今、ベトナムのソフトウェア業界の人材が日本市場の注目を集めている。日本とベトナムは多くの文化的な共通項があり、また現在、両国の外交関係が歴史上最良の時期を迎えているという利点により、日本企業にとってベトナムはソフトウェア開発分野においてインドと中国に次ぐ第三の戦略的なパートナーであると評価されている。

ベトナムのソフトウェア開発業界は現在、700以上もの企業および毎年、大学や高等専門学校などで教育を受けた9000人のITエンジニアを擁している。そして、同業界は年間あたり30~40%の成長率を遂げ、ベトナムの国内総生産(GDP)の0.4%を占めている。このような成長を遂げつつある一つの要因は、日本企業からの大きな需要が欠かせない。

FPT大学とHSB経営管理大学が共催したセミナー「日本市場向けソフトウェア業界の人材について」での統計によると、2006年、日本の各企業からベトナムのソフトウェア各社が受注した総額は4億3000万円に上り、その後も急増の一途を辿っているという。 日立ソフトウェア (HS)はベトナムのソフトウェア企業と早くからパートナーを組んだ企業の一つであるが、現在、同社は全体の23%をベトナムの企業に発注している。ベトナム企業との取引をスタートさせた2003年当時、インドの企業が20%を占めていたが、現在ではわずか1%にとどまっている。

この数年間、FPTソフトウェアをはじめ、いくつかのベトナム企業が日本市場に進出するチャンスを掴んだ。高度なソフトウェアの開発技術およびサービス を有するFPTソフトウェアは、同社の持つポテンシャルを広くアピールし、一つのブランドを確立したといっても良いだろう。同社の収益は順調に推移し、190万米ドル(2003年)から3000万米ドル(2007年)まで伸びている。また、本年2008年には4200万米ドルの収益を上げ、その内、日本の各企業からの比率は65%になると予測されている。同社のソフトウェア開発第11部のチャン・ダン・ホア(Tran Dang Hoa)部長は、「日本市場向けのソフトウェア開発業界には、今後も大きな発展のチャンスがあります。このチャンスを確実に掴むことができるか否かは、弊社の努力次第でしょう」と述べた。なお、現在、FPTソフトウェアの2700人の社員の内、1800人が日本市場向けの業務に従事している。

上述のとおり、ベトナムのソフトウェア開発業界は日本の各企業から非常に大きな潜在力を有していると評価されており、2010年時点で日本はベトナム最大のソフトウェア輸出市場であると予測されている。このような状況の中で、日本側がベトナムとパートナーを組む際、最も注目していることが「人材」である。日本の各企業は、ベトナムのソフトウェア業界の人材が“若く”、“アクティブ”、“頭脳明晰”であること。そして、基本的な知識をしっかりと身に付けているため能力向上が早く、プレッシャーのかかる職場環境でも適応しやすいなどの長所があると評価している。

ベトナムソフトウェア会社連盟によると、ソフトウェア業界の人材の質をより向上させ日本企業のさらなる関心を高めるために、情報技術(IT)を教育するベトナムの大学などが国際レベルの講師陣およびシラバスを利用し、同時に外国語教育を促進した国際基準に達する情報技術系専門大学を創設する必要があるとしている。そして特に、FPT大学と同様、教育現場において各ソフトウェア企業の協力を呼びかけるべきとの見方を示している。FPT大学では、ACM(米国)およびITSS(日本)の基準に拠る教育課程を適用し、日本の企業や大学と協力して教育プログラムを組み、学生や講師の相互交換を行っている。そして、同大学の学生が英語と日本語を同時に学び、2年生の時から実際の仕事を通じた教育を受けるチャンスを設けていることは特筆すべき点であろう。本年、同大学ではソフトウェアを専攻する2000人の学生を育成し、 さらに2009年には5000人、2015年には4万人を養成する計画となっている。また、このような長期的な教育プログラムの他、毎年、短期コースを修了した数千人もの人材が即戦力として業務に着手することができるという。

今後、ベトナムが人材育成に関する諸課題をいち早く克服することができるのであれば、日本の各企業にとってベトナムのソフトウェア開発業界は、より魅力的なパートナーとなるだろう。

文:トゥアン・ロン(Tuan Long)
写真 :ホアン・ハー(Hoang Ha)

:トゥアン・ロン(Tuan Long)-ホアン・ハー(Hoang Ha)


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