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トヨタコンサート・ベトナムツアー 2008が先ごろ、ハノイオペラハウスにて公演され、日本人指揮者の本名徹次氏の下、ベトナム国立交響楽団とバイオリニスト奥村愛が印象的な演奏を行った。なお、同コンサ
ートツアーはハノイの他、ハイフォン、ダナン、ニャチャンとホーチミン市の5大都市での公演となった。
トヨタコンサート・ベトナムツアー2008は、日越外交関係樹立35周年(1973年9月21日-2008年9月21日)を記念して開催されたイベントの一つ。ベトナム国立交響楽団のゴー・ホアン・クアン(Ngo
Hoang Quan)団長は、同ツアー公演は実にやわらかで魅力的であると評価した。シュトラウス
IIのロマンティックなワルツや落ち着いた雰囲気をもたらすチャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」曲(Souvenir
d’un Lieu )、ハンガリー人のチャルダーシュ舞踊を思い出させるチャルダーシュなど、世界のクラシック音楽の多彩な名曲の数々を詰めかけた観衆に贈った。
日本人指揮者・アーティストの温かなサポートに応えて、ゴー・ホアン・クアン団長は、その創造性を発揮しベトナム民謡であるチョンコム曲を交響曲にアレンジした。同曲はチョンコムの音色を模倣するために琴胴の音と他の特別な技術を融合させたものである。また、同コンサートの「指揮者コーナー」では、音楽が大好きで将来、交響楽団の指揮者になりたいという5歳以上の子ども向けの非常に面白いプログラムであった。これらの「チョンコム」や「指揮者コーナー」は、ベトナムの観衆と交響曲との距離をより近くすることができたといえよう。
トヨタコンサート・ベトナムツアー2008のすべての演奏は観衆の中に余韻を残した。ベトナム国立交響楽団の他、本名徹次指揮者とバイオリリニスト奥村愛という2人の日本人が同コンサートツアーに大きな役割を果たしたことは間違いないが、ベトナム国立交響楽団を5年間指揮している本名徹次氏は、トヨタコンサートツアーの主たる目標は、世界のクラシック音楽をベトナムの観衆に伝えることであると述べた。また、本名氏は同コンサートでベトナム人アーティストによって演奏されたチョンコムに特別な関心を有しているとし、以前日本にも多種多様の民謡があったが、残念ながらほとんどが失われつつあるとも語った。そのため、ベトナム人による伝統音楽の保存・維持に対して大変感激しているという。また、日本のクラシック音楽界をリードする女性バイオリニストである奥村愛さんにとって、トヨタコンサート・ベトナムツアーで演奏するのは今回で2回目。彼女は年齢こそ若いが、第48回高校生全国音楽コンテストでの優勝(1994年)やクラシック音楽コンテスト・バイオリン部門特賞をはじめ、数々の権威ある賞を受賞してきた実績を誇る。日越外交関係樹立35周年を記念する同イベントで、日本の優秀なアーティストがベトナム国立交響楽団と共演することは、両国民の友好をさらに深めたことは確かででだろう。
ハノイオペラハウスで成功裡に開催された後、同コンサートツアーはハイフォン市オペラハウス(6月11日)、ダナン市チュンヴオンオペラハウス(6月14日)、カインホア文化センター(6月16日)にてそれぞれ開催され、6月20日にはホーチミン市音楽院で閉幕した。なお、同コンサートツアーのチケット販売収益は、上記の5大都市の困難な状況にある世帯に寄付された。
文:グエン・トゥアン・ロン(
Nguyen Tuan Long)
写真:ズオン・ゴック(
Duong Ngoc) |